伝説的なフォーク・ミュージシャンで、平和と労働の活動家でもあったユタ・フィリップスが享年73で逝きました。ユタ・フィリップスは自らが「交易」と呼んだ演奏活動を、過去約40年以上にわたって、米国、カナダ、ヨーロッパで休むことなく続けてきました。 労働組織者の息子でもあったフィリップスは、生涯にわたって、通称Wobbliesと呼ばれる世界産業労働者組合の組合員でもありました。彼は10代のときに家を出て、ホーボー(19世紀後半から1930年代の不景気の時代に仕事を求めて渡り歩いた貧しい労働者を指す)として生活しながら、自らの体験を歌にして表現しました。1956年には軍隊に入り、朝鮮戦争に従軍。後に彼はこの時の経験を人生の転換期だったと振り返っています。また、1968年には、ユタ州の平和自由党の候補者として米国上院に立候補しました。フィリップスはカリフォルニア州のネバダ・シティで、全米に配信されるフォークミュージックのラジオ番組を始め、過去21年間ネバダ・シティで暮らしていました。彼は、ホスピタリティ・ハウスというホームレスのためのシェルターやピース・アンド・ジャスティス・センターといった組織も創設しました。本日は2004年1月のフィリップスとのインタビューを時間一杯再放送します。