デイリーニュース

  • 議論の余地のないカナダの調査 先住民女性と少女の殺害と失踪を大虐殺と名指し

    カナダ政府による背筋の寒くなるような調査が、遍在する先住民少女と女性の失踪と殺害は大虐殺であり、その責任はカナダ政府そのものにあると結論付けました。この調査結果は6月3日、カナダのジャスティン・トルドー首相と犠牲者の家族が参加した式典で「失踪・殺害された先住民女性と少女のカナダ国家調査」(Canadian National Inquiry into Missing and Murdered Indigenous Women and Girls)によって発表されました。参加者の多くは死者を追悼するために赤い花を持っていました。この国家調査委員会は2014年、マニトバ州ウィニペグのレッドリバーでサグキーン・ファースト・ネーション出身の15歳の少女ティナ・フォンティーヌの死体が発見されたことを受けて結成されました。先住民コミュニティは、先住民女性と少女、トゥースピリット(儀礼的第3の性)、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア(多様な性的嗜好を持つ)、クエスチョニング(性的アイデンティティを迷っている)、インターセックス(性分化疾患)、アセクシャル(性的興味を持たない)といった人々に多発する死と失踪にもっと注意を向けるよう呼び掛けながら、数十年にわたる苦悩と憤りを感じてきました。この報告書はその気持ちを受け継いでいます。

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    2019/6/4(Tue)
    記事番号: 
    1
  • イラク戦争の帰還兵が語る 戦争犯罪人の赦免は米軍と世界への誤ったメッセージだ

    トランプ大統領は戦争犯罪で有罪判決を受けた軍人の赦免を検討しています。米国海軍特殊部隊の特殊作戦責任者エドワード・ギャラガーの赦免もその中にあると言われています。彼に対する容疑は、非武装民間人の射殺、負傷した10代の戦闘員捕虜をナイフで刺殺したこと、この少年の死体の上で再入隊の儀式を挙行したことです。サンディエゴの軍事法廷は5月30日、殺人に関する軍事裁判における訴追手続き上の誤りを理由に、ギャラガーの釈放を命じました。検察官を交代させるのか、裁判そのものを取りやめるのかの決定はまだ下されていません。ギャラガーの弁護人の一人はトランプ陣営の代理人でもあります。ギャラガーの雄弁な支持者である共和党下院議員ダンカン・ハンターは最近になって、米軍の2004年ファルージャ作戦で数百人の民間人を殺害したことをポッドキャストで認めました。トランプ大統領は軍事請負企業ブラック・ウォーターの傭兵ニコラス・スラッテンのための赦免も検討しています。彼は、2007年イラクのバグダッドで起きたニソール広場虐殺事件で、既に2度、第一級殺人罪の有罪判決を受けています。ウェイトマン・ウェイド・ベオーンと話します。彼はイラク戦争の帰還兵であり、ホロコーストや虐殺の歴史研究者でもあります。2019年5月19日付ワシントン・ポスト紙の彼の意見コラムの見出しは、”I led a platoon in Iraq.

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    2019/6/3(Mon)
    記事番号: 
    4
  • 米最高裁判事がアダム・コーエンの著書を引用して人工中絶と優生学を関連付け コーエンは反論

    クラレンス・トーマス最高裁判事は先週、中絶する権利は20世紀の優生運動にさかのぼることができると主張して、激しい批判を浴びています。トーマス判事のこの主張は、インディアナ州法の見直し法案で胎児の性別、人種、障害を根拠にした中絶を禁止することになる修正を最高裁が却下したことを受けて提出された20ページに及ぶ意見書の中で示されました。この最高裁の判断により、選択的中絶を禁じることはできないとした下級裁判所の判断が維持されました。しかし、トーマス判事は法案への支持を表明する意見書に次のように述べました。「米国家族計画連盟(Planned Parenthood)が唱導するように、胎児の性別や人種、障害だけを根拠にした妊娠中絶を憲法上の権利として法制化することは、20世紀の優生学運動の見方を憲法に取り込むことになるであろう」。トーマス判事は自身の見解の正しさを証明するために、アダム・コーエン著の Imbeciles: The Supreme Court, American Eugenics, and the Sterilization of Carrie Buck(『低能者:最高裁、アメリカ優生学そしてキャリー・バックの強制不妊手術』)を引用しています。著者のアダム・コーエンは、このクラレンス・トーマス判事の主張に反駁しています。

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    2019/6/3(Mon)
    記事番号: 
    3
  • アリ・バーマン記者 投票の抑圧やゲリマンダリングが前例のない中絶禁止に道を開いた

    米国では、ルイジアナ、ミシシッピ、ケンタッキー、オハイオ、ジョージア各州が妊娠6週以降の人工中絶禁止に動き、ミズーリ州議会は妊娠8週以降の中絶禁止を承認、アラバマ州は人工中絶をほぼ全面的に禁止する法案を採択しました。全米各地での広範な中絶の権利に対する攻撃は投票権の抑圧とどのような直接的つながりがあるのかについて、アリ・バーマン記者に聞きます。バーマン記者は最近、マザー・ジョーンズ誌の記事で「これらの州には共通点があります。投票の抑圧やゲリマンダリングによって民主的なプロセスを歪めようとする組織的な努力です。こうした手法が、ほぼ全面的な中絶禁止や極端な右翼的政策を容易にしました」と書きました。

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    2019/6/3(Mon)
    記事番号: 
    2
  • アリ・バーマン記者 市民権を尋ねる質問を国勢調査に追加するのは白人の政治権力温存のため

    2020年の国勢調査に市民権条項を追加しようとするトランプ政権の計画に、ゲリマンダリング(不正な選挙区分け)を専門としていた今は亡き共和党の上級ストラテジストが密かに関わっていたことが最近発見された文書から明らかになりました。ニューヨーク・タイムズ紙は先週掲載した記事の中で、この上級ストラテジスト、トーマス・ホフェラーを「ゲリマンダリングのミケランジェロ」と呼びました。ホフェラーは昨年8月に亡くなったとき、彼のメモや文書で埋まったコンピューターのハードディスクを残しました。別居していた娘が、(市民権条項の追加は)「共和党とヒスパニック以外の白人に有利となる。民主党にとって不利に働くのは明らかだ」と記した2015年の分析を発見しました。国勢調査の担当者は、市民権条項が追加されれば650万人が調査に回答しないだろうと推計しています。これによって生じる過小評価は、議会の選挙区割から連邦予算の配分などあらゆるものに影響します。マザー・ジョーンズ誌の上級記者であるアリ・バーマンから続報を聞きます。彼の最新記事は、“Architect of GOP Gerrymandering Was Behind Trump’s Census Citizenship Question”(「トランプ大統領が企てる市民権条項追加の裏に共和党のゲリマンダリング戦略家がいた」)です。

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    2019/6/3(Mon)
    記事番号: 
    1
  • 追悼ジョージ・ティラー医師 カンザス州で中絶医療提供者が暗殺されてから10年後

    中絶医ジョージ・ティラーがカンザス州ウィチタの教会で礼拝に出席した際に額を射抜かれて殺されてから今日で10年になります。殺害に至るまでの数十年間、テイラー医師は絶え間ない脅迫と暴力や破壊行為を受け続けていました。彼を暗殺した男、中絶反対の過激派スコット・ローダーは終身刑に服しています。ストーリーコ(StoryCorps)に最近追加された、2006年にティラー医師に会いに行ったラビ・デビッド・ヤングとカンターナタリー・ヤングによる会話を放送します。

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    2019/5/31(Fri)
    記事番号: 
    3
  • 「ジェインを頼む」ロー対ウェード判決より前に中絶医療を提供していた地下フェミニストグループ

    「ジェインを頼む」。1973年に「ロー対ウェード」裁判の画期的な判決で妊娠中絶の権利が保証される以前には、この魔法の言葉によって何千人もの女性が安全な中絶措置を受けることが可能になりました。米国のほとんどの地域で妊娠中絶の施術が非合法化されていたため、多くの女性が妊娠を中絶するために命を危険にさらさねばなりませんでした。そこで1969年、シカゴの女性グループが自分たちの手でこの問題に対処しようと立ち上がり、ホットラインを立ち上げて女性たちにカウンセリングを提供し、最終的には自ら中絶サービスを提供しました。フェミニストによる秘密の中絶サービスに到達するために必要だったのは、とある番号に電話をかけ、ジェインを頼むことだけでした。「ジェイン」の元メンバー、ローラ・カプランとアリス・フォックスのふたりと話します。ローラ・カプランは、Story of Jane: The Legendary Underground Feminist Abortion Service(『ジェインの物語:伝説の地下フェミニスト中絶サービス』)の著者です。

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    2019/5/31(Fri)
    記事番号: 
    2
  • 国連特別報告者 「心理的拷問」を引き合いに出しジュリアン・アサンジの解放を求める

    拷問に関する国連特別報告者が、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジは現在の身柄拘束と米国への身柄引渡しの恐れにより「心理的拷問」にあたる被害を被っていると警告しています。国連の専門家ニルス・メルツァーは、アサンジが米国に引き渡されることになれば、「政治的な見せしめ裁判」にかけられる可能性が高いとも警告しています。「私は20年にわたり戦争や暴力、政治迫害の犠牲者のために働いてきましたが、こんなふうに民主主義の国々が徒党を組んで、意図的に一人の人間を孤立させ、悪者にし、虐待するなんてことをみたのは初めてです」とメルツァーは書いています。ジュリアン・アサンジは先月、ロンドンのエクアドル大使館から英国警察によって強制退去させられた後、現在はロンドンのベルマーシュ刑務所で、2012年に保釈条件を破った罪により50週間の禁固刑に服しています。米国の司法省は先週、アサンジを17件のスパイ法違反の疑いで起訴したと発表しました。米軍の機密文書や外交文書を公開してイラクとアフガニスタンでの米国の戦争犯罪を明るみに出すことに一役買ったためです。アサンジはすでに米国政府のコンピュータをハッキングした罪で起訴されていますが、新たに17件のスパイ法違反容疑が加わり、それぞれが10年として最長で170年の刑が加算されることになります。

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    2019/5/31(Fri)
    記事番号: 
    1
  • ハリエット・タブマンの肖像の20ドル札への採用を延期したトランプ政権の決定は「女性蔑視と人種差別」

    20ドル札の肖像を現在のアンドリュー・ジャクソンから奴隷解放運動の指導者ハリエット・タブマンに変更する計画を延期したトランプ政権に批判が集まっています。スティーブン・マヌーチン財務長官は先週、タブマンへの変更は少なくとも2026年まで実施しないと発表しました。2016年のオバマ政権による構想では、ジャクソンからタブマンへの変更は、女性の投票権が認められてから100周年記念となる2020年までに行う予定でした。タブマンは女性としては100年ぶり、アフリカ系米国人としては初めて米紙幣の表に肖像を掲載されることとなります。アンドリュー・ジャクソンは奴隷所有者で、1830年には「インディアン強制移住法」に署名し、アメリカ先住民1万6000人以上を強制的に居住地から排除し、これは「涙の道」として知られています。本日はBound for the Promised Land: Harriet Tubman, Portrait of an American
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    (『約束の地への道のり――ハリエット・タブマン、アメリカの英雄の肖像』)の著者ケイト・クリフォード=ラーソンに話を聞きます。

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    2019/5/30(Thu)
    記事番号: 
    3
  • オピオイド裁判の指針となり得る初公判で オクラホマ州がジョンソン&ジョンソンを強欲なドラッグの「売人」と批判 

    製薬会社がオピオイド危機における役割を問われる初めての裁判がオクラホマ州で始まりました。赤ちゃん用製品で有名な巨大企業ジョンソン・エンド・ジョンソンは、合成オピオイドであるフェンタニルのパッチを製造し、以前はオピオイドの錠剤も製造していました。5月28日の冒頭陳述では、原告側の弁護士が同社に徹底的に不利な証拠を並べ、オクラホマ州がオピオイドに蝕まれる中オピオイドの需要を増やそうとしていたと批判しました。ジョンソン・エンド・ジョンソンは子供と退役軍人を販売の標的にしていたと州は主張しています。裁判所に提出された書類でオクラホマ州のマイク・ハンター検事総長は、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、90年代から無防備な一般市民を標的にしてきた「ドラッグの売人」だと批判しています。同じく州から訴えられていたパーデュ・ファーマは3月に2億7000万ドルで、テバ・ファーマスーティカルは今回の裁判の直前の26日に8500万ドルでそれぞれ同州と和解しています。これでジョンソン・エンド・ジョンソンがこの種の民事裁判としては初の裁判で唯一の被告となりました。裁判は2ヶ月に渡るとみられており、全米各地で1900件近くの連邦および州による製薬会社や販売会社に対する裁判の指針となると見られています。

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    2019/5/30(Thu)
    記事番号: 
    2

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