CIA の尋問担当者:米国による侵攻時にサダム・フセインが取り組んでいたのは大量破壊兵器ではなく小説執筆だった

2016/12/28(Wed)
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10 年前の今週、2006 年 12 月 30 日に、イラクの元独裁者サダム・フセインが処刑されました。サダム政権は 2003 年、米国による侵攻開始後まもなく崩壊しました。ジョージ・W・ブッシュ米大統領は、フセインが大量破壊兵器を蓄積し、アルカイーダと連携しているとして侵攻を開始しましたが、この前提は事実に反していました。侵攻によりイラクおよび周辺地域は安定を失い、100 万人以上が死亡しました。イラクとシリアでの戦闘はいまも続いています。イラクに関してこれまで語られたことのない観点で書かれた、衝撃的な新刊本が発売になりました。著者は 13 年前のサダム・フセイン逮捕後に尋問を行った CIA のアナリスト、ジョン・ニクソンです。ニクソンは、米国侵攻時点で CIA が知っているつもりでいたサダム・フセインに関する情報の多くは間違っていたことを明らかにしています。尋問中にフセインは、 小説執筆に集中することができるよう、2003 年までには自身の権限の大半を側近者に譲っていたことを明らかにしました。大量破壊兵器計画はありませんでした。さらにサダム・フセインはアルカイーダやその他、ワッハーブ派の教義に感化されたイスラム主義グループに対して徹底して批判的でした。また尋問の際、フセインはイラクに関して米国に警告を発しました。「あなた方は失敗するだろう。イラクの統治はそんなに簡単でないことがわかるだろう。イラクのことばも歴史も知らず、アラブの心を理解していない。だから、イラクで失敗するだろう」と。元 CIA アナリストで新刊書Debriefing the President: The Interrogation of Saddam Hussein(『大統領への結果報告:サダム・フセインの尋問』)の著者ジョン・ニクソンがゲストです。

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