福島第一原子力発電所の事故に関しては、被害の範囲をできるだけ小さく見せようとする報道がめだち、海外メディアの報道とは大きなずれを生じています。いちばん情報を持っているはずの政府と東京電力が発表することが信用されなくなれば、パニックがますます拡大します。責任問題は後日かならず追及されるべきですが、今はとにかく情報を隠さないでほしい。
環境に有害と見られてきた原発が、気候変動対策の選択肢として脚光を浴びています。オバマ政権は原子力発電所新設の助成に185億ドルの予算を組んでおり、2010年2月には合衆国では約30年ぶりになる80億ドルの債務保証を発表しました。合衆国では1979年にペンシルベニア州のスリーマイル島原発で2号炉が炉心溶融の大事故を起こし、これをきっかけに安全性に不安を抱く世論が高まり新規発電所の建設はストップしていたのです。2009年11月21日、このスリーマイル島原発で放射能漏れの事故が起こり、150人以上が退避する騒ぎとなりました。1970年代始めに建設された1号炉が、いまも稼働しているのです。しかし70年代の古い原発は設計耐用年数が40年程度であり、すでに寿命が尽きていると、ネイション誌のクリスチャン・パレンティ記者は言います。「でもゾンビは死なない、規制当局の怠慢のせいだ」。(9分)
2009年7月クリントン国務長官がインドを訪問し、米国の兵器と核技術を販売するための政府間合意を交わしました。戦闘機120機以上を納入する高額取引に加え、米国製の原子炉の輸出も予定されています。インドのエネルギー需要を満たし米印両国の雇用を拡大するとうたわれていますが、米印が核協力を強化すれば、パキスタンとインドの軍拡競争を刺激しかねません。また、イラン=パキスタン=インドを結ぶ「平和のパイプライン」によるイランの天然ガス供給の構想にはどう影響するのでしょう?(11分)