ナワル・エル・サーダウィ「私たちの希望は日に日に大きくなる」
2011/2/11(Fri)
Video No.:
7
16.5分
長年女性の権利を訴えてきたナワル・エル・サーダウィがムバラク政権崩壊を熱く語ります。サーダウィは1931年、エジプトの小さな農村で生まれました。カイロ大学医学部を卒業、故郷の村で医者として働いた後、エジプト保健省に勤務。女性の権利を訴え、体制批判を続けたため保健省を解雇され、サダト政権下では政治犯として1981年に3カ月間投獄されました。発行していた雑誌や著作が発禁処分になるなどさまざまな抑圧を受けながらも生涯、フェミニスト、人権活動家として第一線にいます。
特に市民権が認められていない婚外子のために働き、サーダウィと娘のモナ・ヘルミは母親の姓を継ぐことを提唱したことで、イスラム教では重い罪とされる背教(apostasy)に幾度となく問われました。2007年の裁判ではサーダウィ母娘が勝訴、2008年にエジプトで初めて婚外子が母親の姓を継ぐことを認める法律が出来ています。
番組が放送されたのは、ムバラク大統領が即時辞任を拒否した直後でした。サーダウィ同様、その声明を聞いたタハリール広場の民衆の怒りは頂点に達しました。そして翌日、一転してムバラク大統領の辞任が正式に発表されています。
またこのセグメントでは、エジプト蜂起を率いた若者リーダーたちとサーダウィの交流も知ることができます。80才を迎えてますます元気なサーダウィの声をぜひお聞き下さい。(桜井)
*ナワル・エル・サーダウィ(Nawal El Saadawi ):エジプトのフェミニスト、人権活動家、作家。著書は『0度の女 -死刑囚フィルダス』(三一書房 )『イヴの隠れた顔 -アラブ世界の女たち』(未來社 )など多数。
Credits:
字幕翻訳:田中泉 校正・全体監修:桜井まり子