ムスリムであるがために諜報の標的に? スノーデンの漏洩文書で発覚したNSAの標的が 米政府の諜報に反応

2014/7/10(Thu)
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ウェブマガジン「インターセプト」(The Intercept)による新報道で、米国家安全保障局(NSA)より諜報の対象とされた著名なムスリム米国人5名の名が明らかになりました。この記事はエドワード・スノーデンが漏らした、2002~08年に傍受の対象となった7500件近くのメールアドレスが載っているNSA作成の表が引用されており、そこにはアル・カイダとの繋がりを政府が疑う外国人のものと思われるアドレスと並んで、テロ活動をしていると疑われている米国人のものが含まれていました。しかしその表はさらに、選挙に出馬した経験もある元共和党活動家、ラトガーズ大学の教授、そして米国最大規模のムスリム公民権運動組織リーダーらのメールアドレスも含まれていたのです。スノーデンによりリークされた文書を元にジ・インターセプトに記事を発表した、ピュリッツァー賞受賞記者、グレン・グリーンウォルドに話を聞きます。「これらの人々の唯一の共通点は、政治的活動を行うムイスラム系米国人だということだけです」とグリーンウォルドは言います。「諜報の世界では、それだけで彼らは怪しいと見なすのに十分だったようです」同記事で名のあげられた2人にも話を聞きます。テロリズム関係の訴訟で依頼人の弁護を務めたこともある、著名な公民権弁護士アサム・ガフォーと、弁護士で元米国国土安全保障省の上級政策部長ファサル・ギルです。今回の発覚に対しどのような対策がとられるべきかという質問にギルは、議会は外国諜報活動監視裁判所(FISA)の監視承認に関し介入し、その権限を行使すべきだと主張します。「われわれの場合については、相当な根拠はなかったと思います……ですので、システムを全体的に見なおすべきです」とギルは言います。「誰かを勝手に一括りにしたことで、その人は一生、汚名を着せられることになる……この手の活動に関与したと政府から疑われる弁護士に依頼しようと思う人はいません」

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