米最高裁判判事アントニン・スカリアが死去して3週間たったばかりでの今、最高裁には現在8人の判事しかいません。数十年来で最も重要とされるこの中絶に関する裁判で4対4に票が割れる可能性があります。票が同数に割れた場合、テキサス州法の大部分を支持した下級裁判所の判決が有効となり、同じ控訴裁判所区域にある、ミシシッピー州やルイジアナ州など他州の裁判にも影響が出る可能性があります。現在、ミシシッピ州には中絶が可能な医療クリニックは1件しかなく、ルイジアナ州では、テキサスと同様の患者受け入れ特約法のために、州内の1施設を除いて中絶医療クリニックの存続が危ぶまれています。今回の最高裁での口頭弁論では、女性判事3人が中絶医療を制限するテキサス州法を批判しました。ルース・ベーダー・ギンズバーグ判事は、「女性患者は同様の制限のない隣州ニューメキシコのクリニックに出向くことも可能なため、同法は不当な負担を強いるわけではない」とする、テキサス州の主張に疑問を投げかけました。「ニューメキシコの施設を持ちだすのは奇妙ですね」とギンスバーグ判事は言いました。「あなたの主張が正しいなら、患者がニューメキシコで中絶医療を受けられるから大丈夫と考えるのはおかしいでしょう。テキサス州は、テキサスの女性を守るためにはこれらの設備が絶対必要だと主張しているわけでしょう。