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2015年7月22日(水)

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  • テキサス州の警察当局はサンドラ・ブランドの逮捕の様子を録画した警察の車載カメラの映像を公開しました。28歳のアフリカ系アメリカ人女性のブランドは先週、車線変更の際にウインカーを出さなかったとして警察に停車を命じられ、その後、テキサス州ウォーラー郡の留置所の独房で死んでいるのを発見されました。 当局はブランドの死を自殺と発表しましたが、友人や遺族は異議を唱えています。今回公開された映像の中では、ブランドは警察官のブライアン・エンチニアにタバコの火を消すように命じられ、自身の車の中で吸って何が悪いと反論し、エンチニアから「お前に火をつけてやろうか!」と脅されています。先に公開された通行人が撮影した映像には、警官に向かって「頭を地面に叩きつけないで」「これじゃ、何を言っているか、聞くこともできない!」と叫ぶブランドの姿が映っていました。テキサス州議会上院議員のロイス・ウエストは報道陣に対し、新たに公開された車載カメラの映像を見れば、そもそもブランドの逮捕自体に正当性がなかったことが明らかだ、と述べました。

  • ニューヨーク市では、ウーバー(Uber)社の400億ドルの配車サービス事業[訳注:携帯電話のアプリを使った配車サービス。タクシー/ハイヤーのライセンスを取れば誰でも自前の車を使いフルタイム/パートタイムの運転手として登録できる。]を巡り、その急成長に一時的な上限を設定しようとする法案の決議が検討されヤマ場を迎えています。デモクラシー・ナウ!の共同司会者フアン・ゴンザレスによると、ウーバーはあらゆる手を使って反撃する決意を固めています。ニューヨークのタクシー運転手たちはウーバーのパートタイム運転手方式は、フルタイムのプロの運転手にとって脅威であり、運転手全員の収入低下をもたらすと言います。ゴンザレスは、ウーバーは世界各地の40カ所で、大きな紛争に直面していると指摘します。フランスではタクシー運転手が暴動を起こしてウーバーの車両を焼き払う事件が起き、仏政府がウーバーの運営方法は違法だと表明する事態になりました。

  • Between the World and Me(『世界と私の間に』)の著者、タナハシ・コーツに時間いっぱいを使って話を聞きます。この新著は、米国の白人至上主義、そして黒人として米国に生きることを描いた衝撃的な一冊です。本文は次の一節で始まります。「あなたに知って欲しいことがある。黒人の身体を破壊すること、それは米国の伝統です。代々受け継がれてきた遺産なのです」。同書は、コーツの15歳の息子サモリに宛てた書簡の形態をとり、回想と歴史、分析で構成されています。同書の出版と機を一にして、チャールストンでは白人至上主義を自認する人物によって9人のアフリカ系アメリカ人の信徒が黒人教会で襲撃され、テキサス州では28歳のアフリカ系アメリカ人のサンドラ・ブランドがウインカーを出さずに車線変更したことで逮捕された後にショッキングな死を遂げました。また、スタテンアイランドでのエリック・ガーナー、ファガーソンでのマイケル・ブラウンの警察官による殺害から一周年にもあたります。コーツはいまは釈放された政治犯のマーシャル・“エディ”・コンウェイと作家のジェームス・ボールドウィンから受けた影響や、コーネル・ウェストやニューヨークタイムズのコラムニスト、デービッド・ブルックスなどによる同書への批評について話します。コーツはアトランティック誌(The Atlantic)で、文化、政治、社会問題を扱う記者です。

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