« 前  

2014年12月30日(火)

  次 »
  • 2014年は欧米のジャーナリストや援助活動家たちが「イスラム国」(ISIS)によって斬首される残酷な映像がテレビで放送されましたが、そんななか人質の命を救えた機会を邪魔したのかもしれない米国の人質事件対処の政策に変更を求める声が上がっています。ジャーナリストのジェームズ・フォーリーとスティーブン・ソトロフ、援助活動家のピーター・カッシグは全員、シリアでISISに誘拐された後で斬首されました。フォトジャーナリストのルーク・サマーズは12月、米国がイエメンで展開し失敗に終わった救出作戦中に殺害されました。こうした人質の家族らは、身代金の支払いを含む、捕獲者との交渉を拒否する米政府の政策を批判しています。一方、シリアでISISに誘拐された、少なくとも15人の人質は釈放されました。それは人質の出身国の政府(一国を除きすべてヨーロッパの政府)が、交渉をおこない彼らの釈放のために数百万ドルを支払ったからです。それに引き換え、米国は捕獲者との交渉や身代金支払いを拒否するだけでなく、人質の家族らが独自にそうしようとするなら起訴すると家族らを脅しました。3人のゲストによる討論を放送します。フォーリーが2012年に人質に取られた当時フリーランス記者として在籍していた「グローバルポスト」(GlobalPost)の社長兼CEOのフィリップ・バルボニ、連邦捜査局(FBI)の危機交渉部隊の元部長のゲリー・ノスナー、そして、オマーンが仲介した交渉で最終的に釈放されるまで410日間イランに拘束されていたサラ・ショウルドです。

  • 番組では米国が海外での自国民の人質解放に失敗している問題について検証していますが、その問題について米国人援助活動家のピーター・カッシグを解放するための極秘交渉に直接関わった弁護士スタンリー・コーエンに話を聞きます。コーエンは、米政府はシリアの「イスラム国」(ISIS)によって11月にカッシグが斬首されるのを防ぐ機会を逃したと主張しています。コーエンは過去にハマス、ヒズボラ、オサマ・ビン・ラディンの義理の息子らの代理を務め、いろいろと取りざたされている弁護士ですが、彼は、結果的には成功しなかったカッシグ釈放のために、自分が持つ幅広い人脈を活用しました。コーエンはFBIの後ろ盾で中東に飛び、アルカイダとISISにつながった人物たちとの交渉の指揮を執りました。しかし、この交渉で中心的役割を果たしていた指導者的聖職者をヨルダンが逮捕し、米国が介入を拒否した時点で、この計画は崩壊しました。カッシグはその直後に殺害されました。「米国は決定しました。その決定が政府のものだったのか、国務省のものだったのか私にはわかりませんが、彼らはカッシグ氏を犠牲にすることに決めたのです。なぜなら、理由が何であるにせよ、ヨルダン政府が彼が釈放されることを望まなかったからです」と、コーエンは言います。

Syndicate content