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2014年12月26日(金)

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  • 退任を控える民主党のマーク・ユーダル上院議員は先週の議会で、中央情報局(CIA)の拷問プログラムとその隠蔽にかかわった、ジョン・ブレナン現長官を含む幹部たちの追放を求めました。しかし任期終了まで数日になったユーダル議員に対し、自ら行動を起こすよう促す声も上がっています。先週発表された上院の調査報告は報告書全体のごく一部に過ぎず、全部で6000ページを超える報告書をわずか480ページへと編集したものでした。米政府はCIAの希望に配慮して、報告書の全公開を阻止しています。このため、ユーダル議員に対し滅多に行使されることのない議会特権を行使して、報告書を全面公開するよう求める声があがっています。彼には参考にできる前例があります。1971年、当時アラスカ州選出の連邦上院議員だったマイク・グラベルは、国民にはベトナム戦争の背後にある真実を知る権利があると主張し、7000ページの「ペンタゴン文書」のうち4000ページ以上を上院の公式記録に載せました。それから40年以上経った今、グラベル元議員に彼の取った歴史に残る行動について、さらにCIAの拷問に関する上院の全報告書についてユーダル議員に同じ行動を取るように求める理由について聞きます。

  • 1972年、ビーコン・プレスはペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム戦争に関する国防総省の機密文書)の全文を初出版した件で米政府から告発され、最高裁で敗訴しました。1971年6月にニューヨーク・タイムズ紙がこの最高機密文書の抜粋を掲載した経緯はいまではよく知られていますが、ユニテリアン・ユニバーサリスト協会傘下の零細非営利出版社であるビーコン・プレスが、米国のベトナム戦争関与の歴史の真相を暴露する7000ページの全文書を出版した経緯については、あまり知られていません。ビーコン・プレスはこの出版により2年半に及ぶ嫌がらせや恫喝の嵐に巻き込まれ、破算寸前に追い込まれ、刑事訴追の可能性もありました。この事件の全体像はこれまでほとんど語られることがありませんでした。エイミー・グッドマンは2007年にオレゴン州ポートランドでユニテリアン・ユニバーサリストが主催した「ペンタゴン・ペーパーズの出版を記念し、今日におけるその意味を問う」イベントで司会を努めました。本日は、この大事件の渦中にいた3人の中心人物が、同イベントで語った話をお届けします。その3人とは、まずはダニエル・エルズバーグ、国防総省およびランド研究所の元分析官で、ペンタゴン・ペーパーズをニューヨーク・タイムズ紙に漏洩した高名な内部告発者本人。次に元アラスカ州選出上院議員で大統領候補でもあったマイク・グラベル。彼は入手したペンタゴン・ペーパーズを下院小委員会の米国議会記録に記載させ、さらにビーコン・プレスに持ち込んだ劇的ないきさつを語っています。3人目はユニテリアン・ユニバーサリスト協会の元会長ロバート・ウエストです。ヘンリー・キッシンジャーから「世界で最も危険な男」と呼ばれたエルズバーグの話から始めましょう。

    ☆2007/7/2(月)放送分の動画は字幕つきで完全版を見ることができます。抱腹絶倒ですので、ぜひ →

    ・ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 1:ダニエル・エルズバーグ
    ・ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 2:マイク・グラベル
    ・ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 3:ロバート・ウェスト
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