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2014年8月1日(金)

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  • ガザの一時停戦は、開始後数時間で崩壊しました。この間に、40人を超えるパレスチナ人が殺害され、イスラエル兵士1名が拘束されました。72時間の停戦開始後わずか数時間後にラファ南部でイスラエルの戦車が砲撃を行ったと伝えられています。イスラエル側はガザ停戦を最初に破ったのはハマスであり、ガザ南部からロケット弾を発射したと主張しています。一方、イスラエル軍はラファ近郊で兵士1名が拘束されたとし、所在をつきとめようと懸命な捜索を行っています。イスラエル軍の話では、この兵士はトンネル破壊作戦に従事していたところ、パレスチナ武装勢力の自爆攻撃もまじえた攻撃を受け、捕虜になりました。今週末(8月第1週末)カイロで予定されている協議は、開催が危ぶまれています。ガザからゲスト2人が番組に参加します。ラジ・スーラーニはパレスチナ人権センター所長、モハメッド・オメールは、ラファ在住で、受賞歴のあるパレスチナ人ジャーナリストです。

  • 72時間の一時停戦が崩壊し戦闘が再開されたのを受け、パレスチナ人の死者数は少なくとも1460人にのぼっています。その大半は民間人で、約6年前の「キャストレッド作戦」でのパレスチナ人の死亡者数を上回りました。イスラエル側は兵士64名が死亡したほか、イスラエル内部で民間人3名が亡くなりました。占領地のパレスチナ人の人権擁護を訴える第一人者ラジ・スーラーニが、ガザ市から番組に参加します。スーラーニはガザのパレスチナ人権センター所長で、国際人権連盟の理事。ライト・ライブリフッド賞、ロバート・F・ケネディ人権賞の受賞者です。

  • ガザ保健省によると、8月1日、米国と国連が支援した停戦の崩壊後にガザで死亡したパレスチナ人の数は少なくとも50人にのぼります。ハマスとイスラエルは、互いに休戦違反を非難しています。イスラエルは、拘束された兵士の救出のため大規模な作戦を開始しました。イスラエル国防軍は拘束された兵士は、ハダル・ゴールディン少尉だと公表しました。ハマスは、この兵士は休戦前に捕虜になったと言っています。7月31日に発表された72時間の停戦のあいだに、イスラエルとパレスチナの代表がカイロで協議に入る予定でしたが、戦闘の再開により協議の実現は危ぶまれています。エルサレム基金とその教育プログラム「パレスチナ・センター」の代表、ユーセフ・ムナイールに話を聞きます。「現状維持が停戦ではありません。停戦によってガザからのロケット弾は停まっても、封鎖という暴力システムは終わりません。イスラエルが日常的に銃器を用いて封鎖を強制しているのです。この暴力システムが存続する限り、それを停戦と呼ぶことはできないのです」とムナイールは語ります。

  • 今週(7月最終週)、イスラエル軍が国連の学校でパレスチナ人20人を殺害した日に、米国は戦車用迫撃砲と擲弾発射筒用弾薬などの弾薬をイスラエルに供与していたことを認めました。米国の代表的人権団体のひとつが米国政府に対し、「ガザでの戦争犯罪がますます明白になっている」ときに、イスラエルに武器を輸送するのは停止せよ」と呼びかけました。31日、アムネスティ・インターナショナルは、米国政府が現在行っているイスラエル向けの大量の武器供与を直ちに停止するように求めました。ガザで行われている深刻な国際法違反に手を貸すことになるからです。アムネスティの呼びかけと時を同じくして、国連の人権担当の最高責任者も米国を非難しました。「米国は、ガザでイスラエルが使用している重火器を提供してきたばかりでなく、イスラエル人をロケット弾攻撃から保護する「アイアンドーム」のために10億ドル近くも供与しましたが、ガザ住民は砲撃から身を守るものが何ひとつ提供されていません」と国連人権高等弁務官のナビ・ピレイは述べました。「米国は国際人道法および人権法に従う義務があることを忘れないようにして欲しい」。米国は、イスラエルへの最大の武器輸出国であり、他国を寄せ付けません。米国政府が'公表したデータによると、2014年1月から5月までのイスラエルへの武器供与には、2700万ドル近くのロケット弾発射装置、930万ドル相当の「誘導ミサイル部品が、76万2000ドル近くの「爆弾、手榴弾、軍需品」が含まれています。アムネスティ・インターナショナルUSAの中東/北アフリカ担当代表のサンジーブ・ベリーに話を聞きます。

    画像提供:アムネスティ・インターナショナル

  • CIAのジョン・ブレナン長官に辞任を求める声があがっています。この動きは、CIAの拷問および特例拘置引き渡しプログラムを調査していた上院委員会をCIA局員がスパイしていたことを、長官が認めたことを受けたものです。この疑惑が表面化したのは今年3月、上院情報委員会のメンバーが、スタッフのコンピューターをCIA局員が違法に監視しているとおおやけに告発したためです。上院の報告書はまだ公開されていませんが、そこにはCIA局員の広範な権力濫用と議会に対する隠ぺい工作の記録が含まれていると言われています。当時、ブレナンはスパイ活動を否定し、そのような告発は根も葉もないことが早晩、明らかになるだろうと述べました。しかし、CIAの内部調査により、局員10人が加担してスパイ活動が行われたことが7月最終週に明らかになってからは、態度が豹変しました。7月最終週の週明けの状況説明でブレナンは議会に謝罪しました。オバマ政権は、ブレナンのリーダーシップに「全面的な信頼を寄せている」というオバマ大統領のことばを使い、ブレナンを支持しています。しかし、上院情報委員会の少なくとも2人の民主党メンバー、コロラド州のマーク・ユーダルと、ニューメキシコ州のマーティン・ハインリク両議員は、ブレナンの辞任を要求しています。CIAが上院コンピューター・スパイ行為を認めたというニュースを最初にスクープした記者で、マクラッチー紙の国家安全保障および情報担当上級通信員のジョナサン・ランデイに話を聞きます。

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