ウォール街占拠運動の数ヶ月前、ノーベル賞受賞経済学者ジョセフ・スティグリッツはバニティフェア誌に"Of the 1%, by the 1%, for the 1%" (『1%の、1%による、1%のための』) という記事を書きました。今度は同じ問題を新著で取り上げて、今このアメリカで不平等が他のどの工業国よりも甚大なものになってしまったことを検証しています。彼によると、米最大の小売りチェーンのウォルマートの6人の相続人が手にする富は、米国社会の下から30%のすべての人々の財産に匹敵するそうです。「トップの人々がいかに裕福か、同時に、底辺層がいかに貧乏か、その2つをこの具体例が説明しています」とスティグリッツは言います。「それは、我々の社会でどんどんひどくなる分断を象徴しています」。5日、ブルームバーグ・ニューズが、ウォールストリートのトップのCEOたちが手にした報酬は昨年、20%以上増加したと報じました。その一方で国勢調査のデータによれば、アメリカ人のほぼ2人に1人までが、つまり1億5000万人が貧困層に転落した、または低所得層に分類されることを示しています。「アメリカ合衆国は(先進工業国の中で)不平等の度合いが世界で一番大きい国です。そしてそれはさらに悪化している」とスティグリッツは言います。