ミズーリ州ファーガソンが、黒人青年マイケル・ブラウン射殺事件の大陪審の判決を待つ中、弁護士で新刊Just Mercy: A Story of Justice and Redemption(『慈悲の気持ちで十分 ――正義と贖罪の物語』)の著者ブライアン・スティーブンソンに話を聞きます。米国の刑事司法制度の欠点への注目が大きくなりつつありますが、スティーブンソンはそれらの不正義にひとつずつ戦いを挑んできました。スティーブンソンは、アラバマ州を中心に貧者や冤罪被害者といった、米国社会の最周辺にいる人々の代理を務める団体、「平等な正義イニシアティブ」(Equal Justice Initiative)の創設者であり、代表を務めています。スティーブンソンは数十名の死刑囚の釈放を勝ち取り、米最高裁でも6度弁護を務めています。2012年には、歴史的な最高裁裁判で、子どもに仮釈放なしの強制的終身刑の言い渡しを禁ずる判決を勝ち取りました。ノーベル平和賞受賞者の南アフリカのデスモンド・ツツ大司教は、スティーブンソンのことを「米国の若きマンデラ」と呼んでいます。また、彼をハーパー・リー作の名作『アラバマ物語』に登場する恐れを知らぬ弁護士アティカス・フィンチに例える人もいます。