アフリカ系アメリカ人で、トランスジェンダー活動家のシーシー・マクドナルドが19ヶ月の懲役を終え、自由の身となりました。彼女はミネアポリスの路上で、あるグループから攻撃を受け、自己防衛のために止むを得ず武器を使い、その加害者が死亡して逮捕されました。この事件は、有色人種のトランスジェンダーの女性が直面する暴力や差別について、全国的な注目を集めきっかけとなりました。2011年、マクドナルドと二人の友人が、ミネアポリスであるバーの前を通り過ぎたとき、同性愛者やトランスジェンダーを嫌悪するグループの一団が、人種差別的な態度を前面にだして近づいてきました。マクドナルドはバーのグラスで殴られ顔を11針も縫う怪我を負いましたが、騒ぎはさらにエスカレートし、マクドナルドたちに襲いかかった集団の一人、47歳のディーン・シュミッツが死亡しました。マクドナルドはこの事件で、懲役80年を求刑されたため、やむを得ず司法取引に応じ41ヶ月の判決を受けました。彼女の支援者にとってこの事件は、トランスジェンダーの人々が日々経験することであり、彼らに向けられる強い敵対感情と暴力に対しては罰せられることがほとんどないのに、マクドナルドがその暴力に対して自己防衛をした事で投獄されるのは不当だと受けとめています。この事件が起きた当時、米国での同性愛者とトランスジェンダーの殺人発生率は過去最高となっていました。