リマで行われる国連気候サミットは、「小ペンタゴン」(El Pentagonito)と呼ばれるペルー軍本部が会場となっています。1975年に、独裁者フアン・ヴェラスコ・アルヴァラードにより建設されたこの場所には、暗い歴史があります。アルベルト・フジモリ政権のもとでは、ペルー軍が政治犯の拷問と尋問に同基地を使用しました。兄弟ケネス・アンズアルド・カストロが、フジモリ政権下の1993年に行方不明になった、マーリー・アンズアルド・カストロに話を聞きます。昨年、「米州人権裁判所」(Inter-American Court of Human Rights)は、ケネスの強制失踪の責任は、ペルー国家にあると判断を下しました。ケネスの消息は、現在も不明のままです。マーリーは、12月10日にリマで行われた気候マーチに、「忘れない」という意味の”No Olvidamos”と書かれたプラカートを手に参加しました。ケネスは学生運動に関わっていた、とマーリーは語ります。「私が今日、若者に混じり(気候マーチに)参加したのは、ケネスと同じ精神を感じるからです」とマーリーは言います。「ですから私にとっては、ケネスの精神が現在も引き継がれているのを目にする機会なのです」
12月10日、世界中から集まった気候正義活動家が、リマで「民衆の気候マーチ」を行いました。ウガンダ、モザンビーク、オーストラリア、カナダ、ペルー、ナイジェリアその他からの参加者の声を聞きます。「私たち市民は不正に対し、団結し立ち上がったのです。私たちはもう沢山だ、と声をあげるのです」と、「環境権アクション/フレンズ・オブ・ジ・アース・ナイジェリア」(Environmental Rights Action/Friends of the Earth Nigeria)事務局長ゴドウィン・ウィ・オジョは言います。「気候変動枠組み条約集結国会議(COP)で交渉が行われている。先進国は、人よりも利益を優先させています。それに対し私たちは『違う、利益よりも、人々を優先させるべきだ』と主張します」
国連気候サミット開催中のリマのダウンタウンで抗議者たちが集結し、南米史上最大の気候マーチに向けた準備をしています。デモクラシー・ナウ!は、マーチに向けて組織化の主要ハブとなっているCasa de Convergencia TierrActiva (カサ・デ・コンベルヘンシア・チエルアクティバ)ハウスを訪れ、抗議者たちの準備のようすを取材しました。