デイリーニュース

  • 全米で民族文化学習への風当たり強まるなか ツーソンでメキシコ系米国人文化学習プログラムの廃止命令 

    アリゾナ州当局は、ツーソンの公立学校区域で、幼稚園から高校までの教育機関で行われ高い評価を得ていたメキシコ系米国人文化学習プログラムの廃止を決めました。その理由は、このプログラムが、ある特定の民族グループのために考案された、あるいは、「ある特定の人種や階級の人間への憤りを促す」様ないかなる授業も行ってはならないとする新しい州法に抵触するからとなっています。しかしそのプログラムの支持者たちは、この授業は、長く無視されてきた見地をラティーノ系生徒に教えると同時に、ほとんどがラティーノ系であるその学区の学生全体の学力を押し上げてきたと言っています。ツーソンのメキシコ系米国人史の教師、ロレンツオ・ロペスと彼の娘で高校二年生のコリナに話を聞きます。二人ともこの禁止令の発効を止める連邦訴訟の原告です。また、米国のチカーノ史の入門書の決定版として知られる、Occupied America: History of Chicanos (『占拠されたアメリカ:チカーノーの歴史』)の著者であるロドルフォ・アクーナ博士にも話を聞きます。アクーナは、民族文化学習プログラム、とくにチカーノ文化学習プログラム、に対して育ちつつある反対運動の一部として、ほかの州でもこのような法律を模倣するようになるかもしれないと警告しています。

    dailynews date: 
    2011/12/29(Thu)
    記事番号: 
    3
  • 北朝鮮の新指導者・金正恩、父・正日から核と北朝鮮の不確実な未来を引き継ぐ

    12月17日に69歳で心筋梗塞で死去した北朝鮮の指導者・金正日(キム・ジョンイル)の国葬に参加するため、29日首都ピョンヤンは何万という北朝鮮市民で埋め尽くされました。喪主を務めるのは権力継承の途上にある金正恩と、3世代に仕えてきた最高補佐官たちです。番組のゲストは、シカゴ大学の歴史学の教授で朝鮮半島に関するいくつもの本の著者であるブルース・カミングスです。北朝鮮が核保有国になったことについてカミングスは、「核保有を良い遺産というのなら、それはまさしく金正日の唯一の遺産です・・・。それ以外は、彼の国家主席としての17年間は失敗の期間として見られることになるでしょう」と言います。金正恩の最高指導者への就任については、「君主政治においては、王がすべてを支配していると考えてはいけません。王は政権の象徴であり、そのことは金正恩に関しては、祖父の金日成や父の正日よりも、さらに真実だと言えます。彼の後ろに控えている軍と朝鮮労働党には巨大な権力が集中しています。その意味で、金正恩ではなく、軍と党が国を支配しているわけです」とカミングスは力説します。

    dailynews date: 
    2011/12/29(Thu)
    記事番号: 
    2
  • アラブ連盟シリア監視団、破壊的弾圧の緩和に失敗 シリアの活動家が潜伏先から発言

    シリアの政治危機解決策に対するアサド政権の取り組みを評価するため、アラブ連盟の監視団が訪問したにもかかわらず、シリアの治安部隊は抗議者たちへの発砲を相変わらず続けています。9ヶ月にわたる民衆蜂起で5千人以上が死亡しました。監視団が到着する前日に30人以上が死亡したと伝えられるホムズから首都ダマスカスへ戻ったばかりのシリアの活動家で映画監督のバッセルから話を聞きます。バッセルは、潜伏先からインタビューに答え、ホムズでの暴力は、地元の民間人と軍脱走兵と治安部隊との間の内戦に発展する恐れがあると言います。また米国在住でシリアの電脳活動家のカラム・ナチャーにも話に参加してもらいます。ナチャーは、抗議運動とアサド政権の弾圧の画像を編集して世間に流通させるために、ソーシャルメディアサイトを使ってシリアの活動家たちと協力している様子を話してくれます。

    dailynews date: 
    2011/12/29(Thu)
    記事番号: 
    1
  • 軍事政権批判で投獄されたエジプト人ブロガー 2カ月近い投獄を終え語り始める

    アラー・アブド・エル・ファタハは著名なエジプト人革命活動家でブロガーです。2カ月近い投獄の末にこのほど解放されました。ファタハは軍事法廷によって10月30日に投獄を命じられ、召喚されて暴力を扇動した罪で告発されました。彼はこの嫌疑を強く否定し、彼を民間人として裁こうとしている軍事法廷の合法性を受け入れず協力を拒んでいます。軍事政権体制に反対して続くエジプトの革命の苦闘と、エジプト最悪の刑務所の1つで過ごした彼の苦難についてファタハに話を聞きます。投獄されたことで彼は最初の息子の誕生に立ち会えませんでした。ファタハの裁判は、追放されたエジプトの前指導者ホスニ・ムバラクがカイロの法廷に今日戻ってくるのと重なっています。ムバラクは反ムバラクの民衆蜂起で840人以上が死亡した件で訴追されます。「次に来ることはさらに厳しく、さらに困難なものになりそうです」とファタハは言います。「しかしこの革命はエジプト及びアラブ世界すべてで権力秩序の再交渉が本当に完全に行われるまで終わることはないと思います」

    dailynews date: 
    2011/12/28(Wed)
    記事番号: 
    2
  • 作家ラッセル・バンクスが語る 追放者・犯罪者・革命家たちの声を通じて書くということ

    今日は著名な小説家ラッセル・バンクスに話を聞きます。彼は2度にわたりピュリッツァー賞最終候補に残った作家で、労働者階級の生い立ちを背景に犯罪者や追放者や革命家たちについて書くことで知られています。「アル中や暴力などでガタガタになった家庭で育った子供としては、物語を創って話すということが、家族の輪の中だけでしていたことであっても、兄弟や周りの者たち、なにより私自身にとって、自分たちを救うための方法だったんですね。子供たちにとっては、さもなければ支離滅裂な人生にそうやって意味を作っていったんです」。バンクスには十数編の長編小説といくつかの短編集があります。Cloudsplitter (『雲を分つもの』)では革命的奴隷廃止論者ジョン・ブラウンに焦点を当て、『狩猟期』 (Affliction)ではパラノイアのアルコール依存症者を、また Rule of the Bone (『骨の掟』)では14歳の麻薬売人を主人公にしました。 バンクスの最新作 Lost Memory of Skin (『失われた皮膚の記憶』)は追放された民として社会に生きようとする性犯罪者の苦境を探検しています。

    dailynews date: 
    2011/12/28(Wed)
    記事番号: 
    1
  • ナイジェリア大規模原油流出の油膜が海岸線を脅かす 過去10年で最悪の恐れ

    石油大手シェル社による大規模な原油流出事故以来、ナイジェリアのニジェール川デルタ地帯の住民は警戒態勢を取ってきました。大量の油膜は、地元の野生生物を脅かし、沿岸を大規模に汚染しながらナイジェリアの海岸に向かっています。流出に関して得られる情報のほとんどは、事故の責任を負うロイヤル・ダッチ・シェル社から出されるものであり、同社はこれまでに流出したのは4万バレル未満だと述べています。しかし、ナイジェリアの原油流出探知対策庁(National Oil Spill Detection and Response Agency)は、流出はその3倍の規模の可能性があると述べています。この見解が発表されるほんの4ヶ月前には、国連が、デルタ地帯の小さな区域がシェル社と他の企業が引き起こした環境被害から回復するのに30年間と約10億ドルがかかるだろうと述べています。ナイジェリアのエンバイロンメンタル・ライツ・アクション(Environmental Rights Action in Nigeria)の代表、ニモ・バッセイから最新情報を聞きます。同団体は、ナイジェリアの石油が豊富な南部デルタ地帯周辺の流出を監視しています。

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    2011/12/27(Tue)
    記事番号: 
    3
  • 米国内の戦争:軍事化した地方警察が9・11後の補助金を戦闘用品の備蓄や無人機使用に活用

    調査報道センター(the Center for Investigative Reporting)による新たな報告は、9・11以来、地方の法執行機関が、爆弾探知ロボット、デジタル通信装置、ケブラー製ヘルメットなどの軍装備品を得るために340億ドルの連邦補助金を使ったことを明らかにしています。「こうした技術や装置の多くは、長い間存在していました。しかし、それらが例えば法の執行力を持つようようになった途端に状況は一変します」と、調査報道センターのジョージ・シュルツは言います。「裁判所と国民は、この技術が、他の人たちよりも大きな権力を与えられている人々のコミュニティ、つまり警察によってどう使われているのかを問う必要があります」。地方の警察署ではさらに、彼らの装備の中に無人機を加えました。6月にはノースダコタ州の地方警察が、無人機の助けを借りて偵察を行い、無人機の助けを借りた米国内初の逮捕という結果につながりました。アメリカ自由人権協会(ACLU)は、特にデモ行動に携わる人々に対する、無人機による監視におけるプライバシー保護を確立することを政府に求める新たな報告書を発表しました。

    dailynews date: 
    2011/12/27(Tue)
    記事番号: 
    2
  • アラブの春の抗議者らが説明責任と政権交代を求める中、米国がイエメン大統領の入国許可へ

    ニューヨーク・タイムズ紙は12月26日、苦境に立つアリ・アブドラ・サーレハ大統領が“正当な治療”を受けるために米国に入国することを許可することをオバマ政権が原則として決めたと報じました。この報道が事実であれば、ここ一年に起きた抗議者たちの死に対する責任について、サーレハへの裁きを要求した9人を政府軍が殺害してから数時間後に、米国はサレハの入国に合意したことになります。過去数ヶ月にわたって、数十万のイエメン国民が、汚職や抗議者らへ破壊的な弾圧など複数の罪でサレハを裁判にかけることを求め、国中でデモを行ってきました。サーレハは11月、彼自身と彼の家族の訴追免責と引き換えに退陣することに合意しました。「[米国は]、いろいろな可能性に賭けるため、ある方向にちょっと行ったり、また別の方向にちょっと行ったりしてきました。その結果、イエメンは国が分割され崩壊する危機に直面するという混乱状態に陥っています」と、フルブライト研究員としてイエメンに滞在していたグレゴリー・ジョンセンは言います。「もしイエメンという国が4つか5つの違うイエメンに分割されたら、米国と国際社会がアラビア半島の南端から受けるであろう安全保障上の脅威は、現時点まで受けてきたものよりもはるかに大きなものになるでしょう」。

    dailynews date: 
    2011/12/27(Tue)
    記事番号: 
    1
  • エドガー・イップ・ハーバーグ追悼:「オズの魔法使い」に虹をかけた男

    彼の名前はあまり有名ではないかもしれませんが、彼の歌は世界中の多くの人に歌われています。今日は、「せめて10セント(Brother, Can You Spare a Dime?)」などのヒット曲を生み、映画「オズの魔法使い」に曲をつけたブロードウェーの作詞家、エドガー・イップ・ハーバーグの生涯と作品の歩みを紹介します。マンハッタンのローワー・イースト・サイドの貧しい家庭に生まれ、イップは人種差別と貧困と戦うべく、作品に強い社会的、政治的要素を常に織り交ぜてきました。生涯社会主義であったイップは、ブラックリストに載り、その生涯のほとんどでしつこく追跡されていました。イップの息子であるアーニー・ハーバーグに父イップの音楽、政治観について話を聞きます。そして、映画「オズの魔法使い」やイップ・ハーバーグのブロードウェイの曲をメドレーで聞きながら、曲が作られた当時の政治状況を詳しく考察していきます。

    dailynews date: 
    2011/12/26(Mon)
    記事番号: 
    1
  • ニュート・ギングリッチの選挙戦復活は政治団体や裕福な後援者の密やかなつながりのおかげ

    全米最初の大統領候補者指名となるアイオワ州党員大会まで2週間を切りましたが、共和党の指名争いは混戦模様です。ここでは政治とカネの現状を深く掘り下げます。昨年のシティズンズ・ユナイテッドと連邦選挙管理委員会の間の訴訟における連邦最高裁判決が、いかに選挙資金集めの形態を変えたかも見ていきます。この判決は企業による選挙運動への資金投入を無制限に認める道を開いたものでした。最近明らかになったことですが、ニュート・ギングリッチは選挙資金規制をかいくぐって億万長者の支援者や大企業から無制限の寄付の形で数百万ドルもの資金を集めていました。マクラッチー紙はこのほど、ギングリッチが連邦選挙資金規正法の抜け穴を利用して政治資金調達団体を作り5年間で5400万ドルを調達、これで大統領候補として復活する資金を手当したと報じました。一方、公益擁護センター(Center For Public Integrity)もギングリッチがいかに2つの、上限なしで寄付を集めるいわゆるスーパー政治活動委員会(super PAC)の支援を受けているかについて詳細な報告を行っています。この2つのスーパーPACは法的に言って、選挙活動上はそれぞれ別々に運営されなくてはならないのです。

    dailynews date: 
    2011/12/23(Fri)
    記事番号: 
    3

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