ジルマ・ルセフ大統領の罷免決議は ブラジルの全民主的組織に影響するクーデター
2016/9/1(Thu)
記事番号:
3
ブラジル上院では、ジルマ・ルセフ大統領が弾劾裁判で有罪と採択され、民主的に選出された大統領の罷免が決まりました。多くはこれをクーデターだと非難しています。決議は61対20で可決されました。ルセフ大統領は今回の弾劾には憲法上の正当性はないと主張しています。ところが意外にも、同議会は42対36でルセフの政治的権利を保持する許可を採決しました。これは彼女が将来の選挙に出馬し公職につくことを許可することを意味します。怒った野党議員は、今回の決議を覆すために「最高裁に上訴する」と断言しています。ジルマ・ルセフが罷免されたことで、13年に渡るブラジルの労働者党政権は終わりを迎え、ルセフ大統領の残りの任期2年間をミシェル・テメル大統領が務めます。非常に不人気のテメル大統領は、自身も国営石油企業ペトロブラスから不正献金を受け取った疑惑で現在、取り調べを受けています。ブラウン大学のブラジル史および文化学教授ジェームズ・グリーンに話を聞きます。グリーン教授はブラウン大学の「ブラジル・イニシャティブ」理事長です。グリーンにはWe Cannot Remain Silent: Opposition to the Brazilian Military Dictatorship in the United States(『もう黙ってはいられない――米国におけるブラジル軍事独裁政権への抵抗』)を含む、複数の著書があります。