元金融規制官ウィリアム・ブラック:欧州から米国まで 緊縮財政が経済を落ち込ませる

2012/5/15(Tue)
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知能犯罪研究者で元上級金融規制官のウィリアム・ブラックがヨーロッパでの緊縮財政策に対する民衆レベルからの反応──スペインでの「インディニャドス(憤怒者たち)」運動からフランスやギリシャの財政救済否定選挙まで──について話します。また、大統領選挙が本格化する中で再度オキュパイ運動が盛り上がろうとしている米国での反応についても話します。「金融というものは単純に、実体経済を助ける仲介者のような存在であるべきなのです」とブラックは言います。「ところが、今では金融が完全に実体経済を支配しており、そこに寄生しています。ドイツの緊縮財政は全ユーロ圏に景気後退をもたらし、ユーロ圏の辺境国を大恐慌級なみの失業率にまで追い込みました。社会保障やメディケア(高齢者向け医療保険)メディケイド(低所得者向け医療費補助)を潰す口実として、ドイツと同じような議論が米国でも行われています。それは経済学をまったく理解できていない考えですが、政治的には魅力的なんですね。」

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