クーデターの証明:ジルマ・ルセフ追い落とし陰謀の証拠山積みで深まるブラジル危機

2016/5/25(Wed)
記事番号: 
1

衝撃的な通話内容が暴露され、ブラジル暫定政権の要人が辞任しました。ブラジル最大の新聞、「フォルハ・デ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)」が掲載した通話の書き起こしは、当時上院議員だったロメロ・ジュカが、自身を捜査対象とする 汚職捜査を阻止するため、 ジルマ・ルセフ大統領の追い落としを謀ったようすを明らかにしています。ブラジル下院がルセフ大統領弾劾を可決する数週間前の 3 月に録音されたこの会話は、ルセフ追放後に企画大臣に就任したジュカが、元石油会社重役セルジオ・マシャドと取り交わしたものです。両者ともマネーロンダリング(不正資金浄化)および国営石油公社ペトロブラス汚職事件をめぐる「ラバジャット(洗車)」捜査の対象でした。会話の中で、二人はルセフ大統領を失脚させることが汚職捜査を阻止する唯一の手段だという点で同意しています。書き起こしではジュカが「流血を止めるために政権交代が必要だ」と述べており、これを受けてマシャドが、「一番簡単な解決策はミシェルを政権につけることだ」と述べたと報じられています。ミシェルとは、当時の副大統領でルセフ弾劾後に大統領となったのミシェル・テメルのことです。ブラジルの「社会正義と人権ネットワーク(Network for Social Justice and Human Rights)」代表マリア・ルイサ・メンドンサから話を聞きます。

共有します