ハワード・ジン狩り:「民衆のアメリカ史」を州立学校から排除しようとした元インディアナ州知事

2013/7/22(Mon)
記事番号: 
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AP通信が入手、公開した電子メールによると、元インディアナ州知事のミッチ・ダニエルズは、2010年のハワード・ジンの死去から数週間後、ジンの著作を州の学校から排除しようとしていました。ジンの著書の中には100万部以上を売り上げ、全国の高校や大学でいまだに使われている有名な『民衆のアメリカ史』などがあります。インディアナ州教育当局の幹部とやり取りをしたメールの中で、ダニエルズ元州知事は「この酷い反米学者はついに死んだ」と書いています。ダニエルズは『民衆のアメリカ史』を「全ページにおいて米国の歴史について偽りを述べる実に忌々しく、事実と異なる、デマ本」と述べ、「これがインディアナ州内で使われていないということを誰か保証してくれないか。もし、使われているなら、更なる多くの若者が強制的にこの完全に間違っている我々の歴史を教え込まれる前にどうやって排除できるだろうか」と問いかけていました。ダニエルズがインディアナ州のパーデュー大学の大学長に就任したばかりということもあり、ダニエルズの発言に対して学術界からは激しい怒りの声が上がっています。ジンのベストセラーの手引きとしての一次資料と評されている『肉声でつづる民衆のアメリカ史』をジンと共同で編集を行ったアンソニー・アーノヴと、ユニオン神学校教授のコーネル・ウエストの2人に話を聞きます。

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