AP、ピュリツァー賞受賞:イスラム教徒を広範囲で監視するNYPDによるCIA関与諜報プログラムを暴露

2012/4/17(Tue)
記事番号: 
1

ニューヨーク市警察(NYPD)が、隣接する三都市地域だけでなく、米国東部全域にわたって広範囲に米国人イスラム教徒たちを監視していたことを明らかにした、AP通信社(AP)のシリーズ記事の共同著者であるマット・アプッゾに話を聞きます。同シリーズは2012年ピュリツァー賞の調査報道部門賞を受賞しました。9.11攻撃以降、イスラム教徒の住む地域を監視する大規模な作戦をNYPDがどのように作り上げてきたかについて、APは2011年8月から詳しく書いてきました。数百のイスラム教寺院やビジネス、学生に対する調査と監視が行われ、多くの場合潜入捜査が行われました。警察は人々がどこで食べて買い物をするのか、どこで働き祈るのかといったイスラム教徒コミュニティの日常生活を観察し、記録しました。警察は「モスク・クローラーズ」として知られる情報提供者たちを使って、不正行為の証拠が何もないにも関わらず、宗教的な集会を監視していました。他に、イスラム教指導者、タクシー運転手、屋台の露天商も警察の監視の対象になっていました。APによると、こうした作戦の多くは、米国市民に対するスパイ行為を禁止されている米中央情報局(CIA)の支援を受けて構築されたものでした。この過程の中でNYPDは、もし連邦政府が行っていたら市民的自由に抵触するようなやりかたで民族コミュニティーを標的にし、「米国内で最も攻撃的な諜報機関のひとつ」になりました。こうした暴露は全米の論争に火を付け、APがNYPDの行動の詳細を明らかにし続けるにつれ、論争は高まるばかりです。「私たちは、人々が情報を基にした判断が下せるように、情報を提供しようとしているのです」と、アプッゾは言います。「最初はシリーズ化するつもりはありませんでしたが、さらに情報が入手できるのならシリーズは続くと思います。そして我々はストーリーが導く方向へ向かうだけです」。

共有します