11月4日もう一つのサプライズ 中絶容認派が再勝利、州上院で女性が過半数に
2008年11月4日には大統領選挙や議会選挙と並んで全米150以上の自治体で住民投票が行われました。州レベルでは住民の発案(イニシアティブ)による憲法改正や州法の制定や改廃をめぐる住民の直接投票が行なわれ、住民が立法行為に直接たずさわるのが米国流の民主主義です。近年は、マイノリティ差別の是正を目指すアファーマティブ・アクションの撤廃、人工中絶の廃絶を求める法案、同性愛者の婚姻の容認をめぐる提案などが浮上しています。
今回の投票ではカリフォルニア州のアファーマティブ・アクション撤廃案が全米の注目を集めましたが、このほかにも今年の住民投票で成立したイニシアティブのいくつかを紹介します。
サウスダコタ州では人工中絶の禁止を求める発議が再度否決され、中絶容認派の勝利が再確認されました。その一方で、カリフォルニア州では同性婚を容認せよとの発案に対して再びノーの判定が下りました。住民投票戦略センターのクリスティ・ウィルフォアと、サウスダコタ・ノースダコタ・ミネソタにまたがる家族計画連盟CEOのサラ・ストーズに話を聞きます。
11月4日にはまた州議会選挙も行なわれました。今年のサプライズは、ニューハンプシャー州の州上院議員選挙です。米国史上で初めて女性議員が議席の過半数を占めるという画期的な事件が起こりました。ニューハンプシャー州上院では定員24のうち13人が女性議員になりました。(中野)
* リスティナ・ウィルフォア(Kristina Wilfore) 住民投票戦略センター事務局長
* サラ・ストーズ(Sarah Stoesz) ミネソタ、ノースダコタ、サウスダコタにまたがる家族計画連盟の代表
* ナンシー・モシャー(Nancy Mosher)ニューイングランド北部家族計画アクション基金代表
字幕翻訳:佐藤生実/校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子・高田絵里