アファーマティブ・アクション判決:最高裁が大学入試における人種多様性の重要性を支持

2013/6/25(Tue)
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あと数日で各種学校が夏季休暇に入りますが、米最高裁判所は、人種を意識したアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を大学入試に適用することに関する判決を言い渡しました。同裁判所は、公民権、人種差別、平等の問題に関わる大きな判決を4つ抱えていますが、その最初の一つにあたる裁決でした。申立人のアビゲイル・フィッシャーは、テキサス大学オースティン校に提出した願書が拒否されたのは、自分が白人であるためであり、人種差別にあたるとして、同校を訴えました。最高裁の保守派判事たちがこの訴訟に飛びつきアファーマティブ・アクションの息の根をとめるというのが、大方の予測でした。ところが、最高裁は、両陣営とも歓迎できる点をもつ見解を示しました。7対1の裁決で、最高裁は同訴訟を連邦控訴裁に差し戻し、アファーマティブ・アクションをより厳しい基準で考慮するよう求めました。しかしながら、判事たちは、大学入試における人種割当の使用は否定しつつ、多様性の向上のため、そこまで直接的ではないアファーマティブ・アクションの採用は認めた、2003年のグラッター対ボリンジャー判決を覆すことは拒否しました。「全米黒人地位向上協会の正当防衛および教育資金」(NAACP Legal Defense and Educational Fund)の教育現場グループのディレクターであるデイモン・ヒューイットに話を聞きます。同グループは、テキサス大学オースティン校の「黒人学生同盟」(Black Student Alliance)を代表して、今回のテキサス訴訟に多くの法廷助言書を提出しました。

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