長編インタビューに字幕を:番組内容の紹介 提案 2
長編インタビューに字幕を:番組内容の紹介 提案 2
DNJクラウドファンディング第2弾(詳細はこちら)それぞれの放送について順次、紹介しています。これは今年5月6日に放送された番組です。
黒人解放運動をとらえた貴重な映像 「ブラックパワー・ミックステープ ~アメリカの光と影」
デモクラシー・ナウ!は、ブラック・ヒストリーやブラック・コミュニティにとって、貴重な記録や証言の宝庫です。2014年5月6日に放送されたダニー・グローヴァーとキャサリン・クリーバーのインタビューも、そんなセグメントの代表です。
動画プレビュー
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ダニー・グローヴァーは、ハリウッドの俳優として世界的に有名ですが、1960年代に学生の団体、SNCC(スニック)のメンバーとして公民権運動に参加して以来のアクティビストで、現在ではアフリカとカリブ諸国をはじめアフリカン・ディアスポラに対するアメリカの外交政策に提言を行うアドボカシー団体「トランス・アフリカ」の議長として、特にハイチをめぐる危機的なできごとでさまざまな支援活動を行いデモクラシー・ナウ!でもおなじみです。
一方、キャサリン・クリーバーは、ブラック・パワー・ムーブメントの大スターだった人です。最初はSNCCのメンバーでしたが、後にブラック・パンサー党に加わり、その圧倒的な知性と存在感で「ブラック・イズ・ビューティフル」ということばに説得力をもたせ、アンジェラ・デイビスなどと共に時代の顔になりました。
この2人のインタビューが実現したのは、スウェーデンのテレビ局の地下室で、偶然、30年前の取材フィルムがみつかったことがきっかけでした。映像には、1967年から1975年にかけて同局のジャーナリストがアメリカで取材した黒人アクティビスト、アーティスト、ミュージシャン、学者たちのインタビューがおさめられていました。ブラック・パワーが全盛だった時代をいきいきと捕らえた貴重な生資料でした。
1964年と1965年にアメリカでは公民権法と投票権法が成立し、公民権運動の大きな成果とされました。けれども人種隔離や選挙への参加だけでは即、解決のつかないアメリカ国内はもとより世界的な規模の搾取、貧困、人間の尊厳の平等な尊重などをめぐって運動には亀裂がはいっていました。マーティン・ルーサー・キング師の掲げる辛抱強い非暴力不服従運動に限界を感じる、特に大都市出身の若者たちは、より実存的で急進的、革命的な思想に惹かれていきました。人種的マイノリティとしておとしめられ続けてきたアメリカのブラックである自分、そしてその文化を誇りをもって肯定することがブラック・パワー・ムーブメントの出発点でした。また、政治的・経済的権力から敵対的な扱いを受けてきた体験から、アジアやアフリカで勃興していた革命的な独立運動からも大きな刺激を受けて、連帯をめざしました。
グローヴァーとクリーバーのこのインタビューは、公民権運動の鬼っことして忘れられていたブラック・パワーがめざしたこと、そしてそれがもつ現代的な意義が語られます。「1%」の独占的な特権者が「99%」を支配するいまのアメリカ、「99%」が「黒人になった」とも言えるからです。そしてこの支配構造は、グローバルな問題でもあります。番組では語りきれず、パート2として収録されたウェブ・ブログも含めて、近頃、その意義が注目され、掘り起こしが活発になっているブラック・パワーをそれを 担った当事者が語るパワフルな証言になっています。
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参考リンク:デモクラシー・ナウ!の番組は、こちらから (ページ内の記事のタイトルをクリックすると英語の動画が見られます)