豪州のグリーンスライド 気候災害の嵐が緑の党&労働党を押し上げ石炭推進政権を倒す

2022/5/23(Mon)
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オーストラリアでは、5月21日の総選挙で与党自由党が破れ、10年近く続いた保守政権に終止符が打たれました。この結果は「グリーンスライド」と呼ばれます。選挙の主な争点が気候変動だったからです。

新首相に選ばれたのは、中道左派の労働党アンソニー・アルバニージー党首です。2018年から首相を務め石炭産業を推進してきた右派のスコット・モリソン自由党党首は敗退しました。有権者の支持は、気候対策強化を訴える候補者に圧倒的に集まり、労働党が議会の最大勢力となりました。

「前回の選挙以降、オーストラリアの人々は壊滅的な気候災害を経験しました」と、オーストラリアの気候科学者で活動家のティム・フラナリー氏は言います。右翼で石炭を推進するモリソン政権の下で、気候変動に起因する山火事、洪水、干ばつが次々と発生し、「気候危機が、この選挙の最大の焦点となりました。前回の選挙の後のわずか3年の間に、私たちは壊滅的な影響を目の当たりにしたのですから」

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