100カ国以上がWTOに求めるワクチン特許の適用免除を米国が阻む理由は?
2021/2/25(Thu)
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【21/02/25/1】パンデミックによる世界の総死者数が250万人に達しようとしている中、知的財産権の厳格な適用が、世界の多くの地域でCOVID-19ワクチンを入手することを阻む可能性があります。米国では4500万人以上が少なくとも1度はワクチンを接種しましたが、国連によれば、世界では130ヵ国がワクチンを全く入手できずにおり、これを「ワクチンのアパルトヘイト」と呼ぶ人もいます。WTO(世界貿易機関)では、南アフリカとインドを先頭に100以上の国々が、人命を救うCOVID-19ワクチンの配布を加速するため、これらのワクチンに対する知的財産保護規則の適用免除を要求しています。公的資金を投入して開発されたワクチンを製薬会社が独占支配することを許しているからです。しかし、米国はこの適用免除に立ちはだかる一番の障害になっています。「この提案の第一の目的は、全ての人にワクチンを行き渡らせることです」と、南アフリカのWTO代表団メンバーのムスタキーム・デ・ガマは言います。「最も短い時間で全ての人の安全を確保するためには、もっと多くの製造者が大量に製造できるようにすべきなのです」。WTOの規制適用免除を支持するイリノイ州選出のジャン・シャコウスキー下院議員にも話を聞きます。「このような知的財産権が世界中で人命よりも利益を優先しているのは明らかです」とシャコウスキー議員は言います。