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2019年10月29日(火)

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  • 気候変動によって助長された山火事がロサンゼルスからサンフランシスコ湾岸北部を燃やし続けるなか、カリフオルニア州は来る強風に身構えています。10月最終週末、大規模な避難と数百万人を対象とした計画停電による大混乱が起こりましたが、28日の月曜日には、カリフォルニア州ソノマの消防士たちが1約7万5000エーカーを燃やした大規模な「キンケード火災」の15%を消化して状況を好転させました。しかし29日に風が再び強まり、消防士たちは州全域で猛威をふるう少なくとも10の火災との苦戦を強いられています。その中には10月28日にロサンゼルスで最も富裕なコミュニティの1つで発生し拡がり続ける「ゲッティ火災」も含まれます。カリフォルニア州の山火事はこの時期には普通のことですが、気候変動のために州の火災のシーズンは長期化、深刻化しています。カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校の政治学の准教授で気候とエネルギー政策の研究者であるリー・ストークスに話を聞きます。また、北ソノマ郡を拠点としバイリンガルの家族を支援する「コラソン・ヘルズバーグ」(Corazón Healdsburg)の最高経営責任者アリエル・ケリーにも話を聞きます。

  • イラクではイスラム教シーア派の聖地カルバラーで10月28日、覆面の射撃手たちが一晩で18人の抗議者を射殺、800人以上を負傷させました。反政府抗議の波が9月にイラクを席巻して以来、約225人のイラク人が殺害されています。カルバラーの抗議者たちは、汚職、仕事不足、不十分な公共サービスに抗議するために同市の「教育広場」(Education Square)で野営していたときに攻撃されました。一方バグダッドでは、病院職員によれば、10月28日のデモで4人が死亡、109人が負傷しました。10月28日、抗議が始まって以来初めてのイラク国会が開かれ、議員たちは地方議会の解散と一部の高官の減給に投票しました。しかし、有力なシーア派聖職者ムクタダー・アッ=サドルは、この措置を「見せかけ」としてはねつけ、イラク政府に早期議会選挙を発表するよう求めました。「イラク女性解放機構」(Organization of Women’s Freedom in Iraq)の代表ヤナル・モハメドに話を聞きます。

  • チリでは、セバスティアン・ピニェラ大統領が約束された内閣改造を行なう一方で、10月28日に新たな一連の大規模デモが行われました。10月28日ピニェラが国民に向け演説した時点で、すでに数百人の抗議者がサンティアゴの大統領官邸の外に集結しており、彼らは旗を振り、警笛を鳴らし、ピニェラの辞任を求めました。今回の内閣改造は、10月25日に百万人以上の市民が街頭を埋め、不平等、物価高、民営化をめぐって大規模な平和的デモを行なったことを受けてのことです。今回の抗議デモは、チリ全土での民衆蜂起と警察・軍による弾圧が何日か続いたのちに、チリの人口の5%以上を動員するかたちで起こりました。10月19日にデモが発生して以来、少なくとも18人が死亡し、1000人以上の抗議者が発砲され負傷しました。チリにある反資本主義で男女同権主義の団体「団結運動」(Solidarity Movement)のメンバーであるパブロ・アブフォムに話を聞きます。ジャコビン誌に掲載された彼の最新記事のタイトルは”It’s Not About 30 Pesos. It’s About 30 Years”(「抗議は30ペソについてではなく30年間についてだ」)です。

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