デイリーニュース

  • 10億人が立ち上がる:V-Dayのイヴ・エンスラーが始めた新たな世界運動 女性暴力に立ち向かうダンス

    米国下院ではリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する自己決定権)をめぐる討議が激しくなり、上院では共和党が「女性に対する暴力法」(VAWA)の再延長を妨げようとしています。家庭内暴力の根絶を呼びかける世界的運動V-DAYキャンペーンの創設者で『ヴァギナ・モノローグ』の作者でもある劇作家イヴ・エンスラーに話を聞きます。「いまだに父権の観念が粉砕されず、父親が女性や子供に権威をふるい、私たちの人生や、私たちの未来や私たちの身体に関する権利を決定するという考えがはびこっています」とエンスラーは言います。「女性を解放するということは男性を解放することであり、すべての人間が美と威厳のある生き方ができて不安や恐怖の中を歩まずに済むということなのです。もし本当にそうしたいなら私たちはもっと踏み込んで、破壊的で危険な存在にならなくてはならないのです」。エンスラーは新しい世界キャンペーンを始めたばかり。その名も「10億人が立ち上がる」(One Billion Rising)。この運動は女性たちおよび「女性を慈しむ男性たち」に2013年2月14日、ともに集まって「暴力の止む時までダンスをしよう」と呼びかけるものです。エンスラーにはもう1つ、コンゴ民主共和国でのジェンダー暴力を生き延びた被害者女性たちの画期的な新コミュニティ「喜びの街」の創設1周年についても話してもらいます。

    dailynews date: 
    2012/3/2(Fri)
    記事番号: 
    2
  • 米上院が反避妊法を僅差で否決 リプロダクティブ・ライツへの攻撃は継続中

    オバマ大統領が進める医療保険政策では避妊医療も医療保険の適用対象として雇用主の負担となりますが、雇用主が宗教団体の場合はすでに免除されています。これを大幅に拡大して、雇用主が個人の信念に従って避妊医療に関する保険料負担を拒否することのできる除外項目を設けようとした法案が、上院で僅差で否決されました。共和党のロイ・ブラント上院議員(ミズーリ州選出)が上程したいわゆるブラント修正法案は、米国の雇用主に宗教あるいは道徳的見地から避妊医療への医療保険適用を拒否する権利を与えるものでした。しかし同修正案は、ほぼ民主・共和両党の議員数に沿った51対48という僅差で否決されました。「ブラント修正案の否決で驚きなのは、99対1ではなかったことです」と語るのは全米女性機構(National Organization for Women)代表のテリー・オニールです。「避妊処置を制限して何の咎めも受けずに済むと政治家たちが本気で思っていることに愕然とします」。リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する女性の自己決定権)に関しては別のニュースもあります。バージニア州では人工中絶を求める女性に超音波検査を義務づける法案が最終段階に達し、議会の承認を得て、知事の署名さえあれば成立というところに来ています。

    dailynews date: 
    2012/3/2(Fri)
    記事番号: 
    1
  • デビッド・ケイ・ジョンストン:「ロムニーの課税案はブッシュ税制をさらに強化したもの」

    大統領候補のミット・ロムニーが、来週のスーパー・チューズデーの予備選挙を前に選挙活動を行いました。そこで彼の提案した税制で得する者と損する者を見てみましょう。ロムニーはすべての米国人に減税を公約しましたが、彼の政策で恩恵を受ける大部分は富裕層で、1億2500万人の最貧困層には逆に増税になることが税制センターの最近の分析で分かりました。「すべての共和党員には基本的に同じ戦略があります。すでに富む人々の税金は軽減し、貧困層、特に貧困から這い上がろうと苦労している貧しい人々からは優遇措置を取り上げ、中産階級の勤労者への優遇措置は制限することです」とロイター通信に税問題について記事を書くピュリッツァー賞受賞のジャーナリスト、デビッド・ケイ・ジョンストンは言います。ケイ・ジョンストンはFree Lunch: How the Wealthiest Americans Enrich Themselves at Government Expense (and Stick You With the Bill)(『フリーランチ:政府の経費で稼ぐ金持ちアメリカ人(税金を払うのはそこのあなた)』))の著者です。

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    2012/3/1(Thu)
    記事番号: 
    3
  • 健康被害を抗議したシカゴの住民、火力発電所の閉鎖を勝ち取る

    シカゴは米国で最古で最も汚い二つの火力発電所を閉鎖する合意に達したと表明しました。フィスクおよびクロウフォード火力発電所の近隣住民は、10年以上もわたり、水銀と発ガン性の微粒子による汚染が、喘息や他の病気を誘発する恐れを申し立ててきました。「地域住民は自分たちには発言権がないと感じていました。でも団結すれば主張できることを証明してみせたのです」と、健康被害を経験し、この地域活動に最初に関わったフィスク発電所の近隣住民レイラ・メンデスは言います。二つの工場を閉鎖する計画は、2011年12月に通過した「水銀と大気中毒性物質基準」の強化を受けたものです。清掃または閉鎖する4年間の猶予を与える新規則は、他の発電所を所有する企業の閉鎖決定も導きました。

    dailynews date: 
    2012/3/1(Thu)
    記事番号: 
    2
  • 「教育を占拠せよ」:教師 生徒が学校の閉鎖 民営化 解雇と序列化に抵抗

    全米の生徒が公教育の擁護を掲げ、全国アクションを繰り広げました。そこで米国で最大の教育制度を持つシカゴとニューヨーク市の例を見てみましょう。そこでは学校を民営化し、試験の点数に基づき教師を序列化しようとする新しい圧力の渦中で、良質の公教育を保護する動きが起きています。シカゴでは、市民の選任をへていない教育委員会が7校の閉鎖、他の10校のすべての教師を解雇することを投票で決定しました。ニューヨーク市では、全米で実施された読解力と数学の試験結果に対する各教員の指導力の成果を測るとする評価システムと共に、1万8千人の教師の名前を公表したマイケル・ブルームバーグ市長の施策を多くの教育者が批判しています。「危険なのは、教室で行われたことだけを対象にした狭い評価方法の結果責任を、教師や学校が問われるとしたら、それが教育制度を押し進めてしまうことなのです」と教員評価制度の効率を研究しているコロンビア大学のアロン・パラスは言います。「ニューヨーク市の学校閉鎖の影響は、まだ報じられていない重要なニュースの1つです」とデモクラシー・ナウ!の教育問題特派員、ジャイサル・ヌーアは言います。「地域社会の基盤となってきた地域の学校が取り壊されようとしているのです」とシカゴ教員組合委員長のカレン・ルイスは言います。

    dailynews date: 
    2012/3/1(Thu)
    記事番号: 
    1
  • アムネスティ・インターナショナルのサリル・シェティが語る シリア危機に必要な武器禁輸と人権監視活動

    シリア政府による反政府抗議と武装反乱への武力弾圧が始まって11カ月、死者数はすでに7500人を超えたという報告が上がってきています。活動家たちによればこの2日間だけでも250人以上が死亡したとの情報も──その大半がホムス州やハマー州での政府軍の砲撃によるものです。アムネスティ・インターナショナルの事務局長であるサリル・シェティに話を聞きます。彼はこれから国連の潘基文事務総長とシリア情勢について話し合うことになっています。「シリア政府は砲撃をやめなければならない」とシェティは言います。しかしアムネスティ・インターナショナルは、その圧力としての武力行使を求めているわけではないと彼は言います。「直近の問題は独立した人権監視団に自由な行動許可を与えることです。また、シリアへの武器の流入も止めなければなりません。こちらは私たちがずっと要求していることですが、武器禁輸措置はまだ始められていません」。シェティはまた、今週行われるイラン議会選挙の準備期間中の同国での表現の自由への弾圧や、エジプトでの人権問題、アムネスティ・インターナショナルが求めている実効的な世界武器貿易条約への運動についても話してくれました。

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    2012/2/29(Wed)
    記事番号: 
    3
  • ミシガンでのロムニーの辛勝が示唆する共和党の課題 労働者とアラブ系市民からの支持

    28日の共和党予備選挙でミット・ロムニーは勝利宣言を行いましたが、アリゾナ州では大差で勝ったものの、出身地であるミシガン州ではリック・サントラムに僅差での辛勝でした。経済が低迷する中、このミシガン州の予備選挙の結果はこの秋にオバマと対峙する共和党の挑戦にいまから影を落としています。ミシガンの経済的苦境は米国の他地域の経済低迷に先行しており、現在の9.3%という失業率も全米の8.3%という数字よりかなり高いものです。自動車産業の復活が選挙運動の中心課題ですが、ロムニーもサントラムも2008年の政府による公的救済には反対しています。ミシガン州には多くのアラブ系アメリカ人が住んでいて、2008年の大統領選挙では彼らは圧倒的にオバマを支持しました。ミシガンから政治記者でEclectablog創設者のクリス・サベージと、アメリカ・イスラム関係評議会代表のダウド・ワリドに話を聞きます。

    dailynews date: 
    2012/2/29(Wed)
    記事番号: 
    2
  • ストラトフォー社からの漏洩メール 米国によるアサンジの秘密起訴状の存在を示唆

    内部告発サイト「ウィキリークス」が民間情報企業ストラトフォーの内部電子メールを公開しましたが、その中の1つに、米司法省がウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジに対する秘密起訴状をすでに用意していることを示すものがありました。このメールはハッカー集団アノニマスがストラスフォーのサーバーから入手した約500万のメールのうちの1通でした。「どういうわけかここにはストラスフォーという『影のCIA』と呼ばれる民間情報企業があって、そこがジュリアン・アサンジも持っていない、ウィキリークスも持っていない、そしてアサンジの弁護士も持っていない、そして秘密の、封印された起訴状に関する情報を持っているというわけです」と話すのは「憲法上の権利センター」(Center For Constitutional Rights)のマイケル・ラトナーです。彼はアサンジとウィキリークスの法務顧問も務めています。「私たちが目にしているものは、秘密主義、秘密主義、さらにまた秘密主義です」。このアサンジに対する起訴状のニュースは、米軍及び国務省の機密文書をウィキリークスに流したとされるブラッドリー・マニング上等兵の罪状認否のおよそ1週間後に公開されました。

    dailynews date: 
    2012/2/29(Wed)
    記事番号: 
    1
  • セネガル:3選を目指すアブドゥライ・ワッド大統領に反対する若者主導の抗議を受けて 決戦投票へ

    セネガルは第1回目の白熱した投票と、憲法が2期限定を規定しているにもかかわらず3選を目指す現職のアブドゥライ・ワッド大統領への1年間にわたる抗議を受けて、決選投票に向けて進んでいます。セネガル人アナリストのアラメ・トールは、この抗議を「セネガル史上最悪で血みどろのキャンペーン」と、呼んでいます。この1年間、多くのセネガル人ラッパーたちがリーダーとなったこの運動は、主流の反対勢力であるを果たす市民組織「6月23日運動(M23)」に加わり、同国の若者たちのワッドへの反感を募らせるのに役立ちました、。「ここで起きているのは『アラブの春』ではなく、むしろアフリカにおけるルネサンス[再生]の歴史であり政治的変化の歴史です。我々は第一歩を踏み出しましたが、これから中身を固めていく必要があります」とトールは語ってます。ハーパーズ誌の寄稿編集者でオープン・ソサエティ・インスティチュート(Open Society Institute)の特別研究員、グローバル・ウィットネス(Global Witness)の調査ジャーナリストでもあるケン・シルバースタインからも話を聞きます。

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    2012/2/28(Tue)
    記事番号: 
    4
  • ウィキリークス:“民間スパイ”ストラトフォー社がボパール事故の活動集団ザ・イエス・メンの監視でダウ・ケミカル社を支援

    ウィキリークスが漏洩した民間諜報会社ストラトフォーの電子メールにより、化学工業大手のダウ・ケミカル社が、「ボパール化学工業事故」の25周年をめぐり活動家たちの行動を厳重に監視したことが明らかになりました。ボパール事故とは、インドで1984年に3500人から2万5000人の死亡者を出したガス漏出事件でした。ダウが特に関心を持ったのは、反企業おちょくり集団「ザ・イエス・メン」で、この集団は2004年に有名なでっちあげ事件を仕立て、ダウがついにボパールの悲劇の責任を認めたと世界中に信じさせました。「我々に関して言えば、ストラトフォーは、我々が公に行っていたすべての動き、特にダウとボパールに関することならどんなことでも細心の注意を払っていました」とザ・イエス・メンのアンディ・ビクルボームは言います。「一連の電子メールで我々が驚いたのは、ダウはポパールとダウの責任という、彼らの収益に直接影響を与えかねない問題を気にかけていると我々は思っていたのですが、ストラトフォーがちょっと異常なほど目を光らせていたのは、我々や他の団体がこの問題を企業パワーに対するより大きな批判と絡めようとしているかどうかということだったのです」。

    dailynews date: 
    2012/2/28(Tue)
    記事番号: 
    3

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