> 北大西洋条約機構(NATO)は、シカゴでの史上最大の首脳会議を終えました。大西洋を越えた軍事同盟がそもそも存在するべきなのかという問題と、2013年にアフガニスタン部隊へ主導権を移行する新たな合意について、討論します。「くぎを打つハンマーの立場にいると、何もかもが打たれる釘のように見えます。同じように、軍事同盟の立場にいると、あらゆる問題が軍事的解決を必要としているように見えるのです」と、作家で政策研究所(the Institute for Policy Studies)のフェローであるフィリス・ベニスは言います。「NATOは巨大なハンマーです。問題なのは、アフガニスタンは釘ではないし、リビアも釘ではないということです。アフガニスタンやリビアは、政治的に対処すべき政治問題なのです。軍事同盟の強化によって、NATOは、国連憲章の目的の弱体化に一役買っています。国連憲章は、世界の強者の意志を映し出している地域軍事機関の優位と特権ではなく、紛争の非暴力的解決法として、政治的に結びついた地域組組織の重要性を訴えています。一方、CIAで安全保障を30年分析し、米国議会調査部のシニアスペシャリストでもあったスタン・スローンは、NATOを支持する立場からこう反論します。「米国がこの同盟で同盟国を持つことは、我々の利益、米国の国益にかなうのです。