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2015年3月4日(水)

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  • 米国司法省は、ミズーリ州ファーガソン市の警察と裁判所が、アフリカ系アメリカ人に対する定型化した差別を日常的に実践していると断定しました。アフリカ系アメリカ人は、ファーガソンの人口のおよそ66パーセントですが、逮捕者の93パーセント、武力が行使された事件の88パーセント、出頭命令の90パーセント、交通違反の85パーセントを占めています。司法省は、マイケル・ブラウンが警察官に殺害された事件のあと調査を開始し、ファーガソン警察内の電子メールの中から少なくとも3通の、言語または画像を含む人種差別的なメールを発見しました。「この報告からは希望はみえません。私に希望を与えてくれるのは、米国中の人々がやっと目覚めだしたことです」と、ミシェル・アレグザンダーは言います。彼女の著書The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness(『新たな黒人差別:大量投獄に見る隠された人種差別』)はベストセラーになりました。「米国中のカラードのコミュニティーが、人種による社会統制に組み込まれています。でも、いま起きていることが示すのは、私たちにはこの状況を変える力があるということです。問題は、抗議行動による政治的駆け引きを、長期の戦略的な運動へと脱皮させられるかどうかです」

    ☆このニュースは「 学生字幕コンテスト2015」の課題に挙がっています。記事の表題をクリックすると英語版に飛べます。関連の参考動画(字幕付き)は、こちらです⇒
    新たなジムクロウ  大量投獄に見る隠された人種差別

  • 米司法省が、その報告書の中でファーガソンの人種差別的な刑事司法システムを浮き彫りにしましたが、法学者のミシェル・アレグサンダーは、彼女が「新ジム・クロウ法」(新黒人差別法)と呼ぶこのシステムの歴史的なルーツに注目します。集団投獄から警察による殺人、麻薬戦争まで、この危機が全米で有色人種コミュニティが直面する問題であることをアレグザンダーが検証しています。「今日私たちは再び、何百万もの貧しい有色人種の人々が、刑事司法制度の中に閉じ込められるのを目の当りにしています。このシステムの中では、彼らは簡単に使い捨てられる商品のように扱われているのです」と、アレグザンダーは言います。「これは正しい方向ではありません.... この方向に向かって小さな改正を繰り返すのは正しくない。 そうではなくて、アメリカと言う国が今どの岐路に立っているのかを、もう一度大幅に見直し、我々の人種的な歴史そして現在をふまえて、全ての人々の人格と人間性を認識した、広範な運動を構築するす勇気を奮い起こさなくてはなりません」。

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