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2014年12月23日(火)

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  • 「人権のための医師団」(Physicians for Human Rights)は、連邦委員会の一つに対し、中央情報局(CIA)の拷問に参加したすべての医療従事者を調査・記録し、責任を取らせることを求めています。同団体は12月第3週、Doing Harm: Health Professionals’ Central Role in the CIA Torture Program(「危害を加えること:CIAの拷問プログラムにおける医療従事者らの中心的役割」)という題名の報告書を発表しました。同報告書は、拷問プログラムに関わった医療関係者らは囚人たちに人体実験を行ったことによって、第二次大戦後のナチの当局者と医師らの裁判をもとに作成されたニュルンベルク綱領に違反する戦争犯罪を犯した可能性があることしています。「人権のための医師団」の調査倫理顧問で、この新たな報告書を共同執筆したナサニエル・レイモンドから話を聞きます。「我々は今、ブッシュ政権の法的断熱材、つまり無罪放免カードとして医療従事者たちが果たした重要で不可欠な役割の明らかな証拠を検証しています」と、レイモンドは言います。
    レイモンドの説明によれば、「ミッチェルとジェッセン(CIAの拷問法を生み出したとされる2人の心理学者)が拷問の単独犯だった、自前の研究としておこなったという話にされることがしばしばです。しかし彼らは医療化した拷問の上部構造の中で働いていました。彼らは単独ではなったのです。そこには医師のアシスタントや博士も含まれていますし、他の専門家も含まれているかもしれません。彼らは、“処置”から、実際の監察、修正から、作戦の設計まで、あらゆることをしていたのです」。

  • 12月初旬の上院の調査結果の発表以来、中央情報局(CIA)が拷問プログラムをおこなった動機は唯一、9・11後の正当防衛だったという仮説にほぼ疑いの余地がないかのようなことになっています。ジョージ・W・ブッシュ政権が、アルカイダとサダム・フセインを結び付け、イラク侵攻を正当化する情報を引き出すという全く別の目的のたにも囚人たちを拷問していた事実はほとんど認識されていません。上院の報告書と他の批評家らが、拷問は間違った情報を生み出したと述べる一方、まさにそれがこの拷問プログラムの目的の一つだったのかもしれません。2002年から2005年までコリン・パウエル元国務長官の首席補佐官を務め、現在は引退したローレンス・ウィルカーソン大佐から話を聞きます。ウィルカーソンは、イラクを大量破壊兵器所有で不当に告発したパウエルによる2003年2月の国連での悪名高いスピーチを準備する手助けをしました。この主張はCIAに代わってエジプトが拷問したある囚人から引き出された供述の一部を基にしていましたが、この人物は後に供述を撤回しました。ウィルカーソンは、イラク戦争は始まる1年前、9.11攻撃の数ヶ月後の2002年の春ごろから拷問プログラムの尋問は「アルカイダとイラク政府の接触とその協力関係に焦点が当てられるようになりました。9.11のような攻撃がまたあるかどうかを探り出そうとしていたのです。それがおそらく拷問の動機の50%だったというのは驚きでした」と、言います。

  • 中央情報局(CIA)の拷問プログラムに関わったジョージ・W・ブッシュ政権の当局者ら訴追への要求が高まっています。アメリカン自由人権協会とヒューマン・ライツ・ウォッチは12月22日、拷問プログラムに関する上院情報委員会の報告書に詳述された犯罪を捜査する特別検察官を任命するようエリック・ホルダー司法長官に求めました。ニューヨーク・タイムズ紙の編集委員会は12月22日、全面的かつ独立した犯罪捜査を要求しました。2002年から2005年までコリン・パウエル元国務長官の首席補佐官を務めた、ローレンス・ウィルカーソン大佐に、起訴について話を聞きます。

  • 2014年12月は、米国主導のパナマ侵攻25周年です。1989年12月20日、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、かつて米の協力者であったパナマの指導者マヌエル・ノリエガに対する麻薬密売罪の逮捕状を執行する「ジャスト・コーズ作戦」を発動しました。この攻撃期間中、米国は、ニューヨーク市警察よりも小さな規模の軍隊を持つ国に対して、高性能な兵器と航空機で装備された2万4000人の部隊を投入しました。パナマ侵攻と、いかにそれがその後の米国の軍事侵攻のテンプレートになったかについて、3人のゲストに話を聞きます。パナマの元外交官であるハンベルト・ブラウン、ニューヨーク大学のラテンアメリカ史の教授でThe Empire of Necessity: Slavery, Freedom, and Deception in the New World(『必然の帝国:新世界の奴隷制度、自由、そして欺瞞』)の著者であり、ネット誌「トム・ディスパッチ」(TomDispatch)の新記事”The War to Start All Wars: The 25th Anniversary of the Forgotten Invasion of Panama”(「全ての戦争を始めるための戦争:忘れられたパナマ侵攻25周年」)を執筆したグレッグ・グランディン、コリン・パウエル元国務長官の元首席補佐官であるローレンス・ウィルカーソン大佐です。

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