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2014年12月12日(金)

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  • ペルーのリマで開催中の国連気候変動会議は、会議日程の最終日に入りました。排出削減量および世界最大の汚染国が貧困国の気候変動対策をどれほど支援すべきかをめぐる富裕国と途上国の間の深い溝は埋まっていません。11日、ジョン・ケリー米国務長官はリマに飛び、2015年パリで意欲的な取り決めが成立するよう、すべての国に努力を促す熱のこもった訴えを行いました。「惨事に導く進路」を反転させるための時間はなくなりつつあるとケリーは述べました。

  • 12月11日気候変動に対処する行動を情熱的に訴えたジョン・ケリー米国務長官は、国連気候変動会議に出席した米政府代表としては、2009年のコペンハーゲン会議にオバマ大統領が出席して以来、最高位の高官です。ケリー長官は30分にわたる演説を行いましたが、その中で、多くの人々が懸念しているキーストーンXLタールサンド石油パイプライン建設計画の申請についてまったく触れませんでした。ケリー長官はこの予算額80億ドルのパイプライン計画の承認に関し、オバマ大統領に最終的な進言をする立場にあります。エイミー・グッドマンはケリー長官の演説に出席していたアル・ゴア元米副大統領に、なぜオバマ氏にキーストーンXL計画の申請却下を望むのかを質問しました。グッドマンはケリー長官と米国の気候交渉官トップのトッド・スターンにも同じ問いを投げましたが、二人とも返答を拒否しました。

  • 環境団体サステインUS (SustainUS)の若手活動家アリサ・ジョンソン=カーツに、国連気候変動会議が抗議者たちにバナーとスローガンを事前に提出し承認を得ることを義務づける規則について聞きます。ジョンソン=カーツによると、この規制は政府高官やプロジェクトなど特定の名前に触れることを禁じています。「私たちが提出しようとしたバナーには、矢印の一方にキーストーンXLの名が、もう一方に生存可能な未来という言葉が書かれていましたが、受け取りを拒否されてしまいました」とジョンソン=カーツは言います。市民団体は会議場内の出来事からますます隔離されています。「そのくせ、会議にやって来る化石燃料企業にはほとんど何の制約も課されていないのです」と、番組ゲストのジェイミー・ヘンはコメントしています。ヘンは、気候団体350.orgの共同設立者でコミュニケーション責任者です。

  • 史上初めて、国連気候変動会議に出席した代表たちが化石燃料を2050年までに全廃することについて話し合っています。これは化石燃料抽出から利益を得ているエネルギー産業との最終対決を仕掛けることになります。350.orgのジェイミー・ヘンに、国連会議の状況、投資撤退運動の世界的高まり、12月8日からの週に『コルベール・レポート』でオバマ大統領が行った発言がキーストーンXLに疑問を投げかけていることなどについて聞きます。

    画像クレジット:Flickr.com/James Ennis

  • 米国商工会議所は、キーストーンXLパイプラインの敷設が25万人の雇用を生むと主張していますが、労働研究者たちは、この雇用予想は大きくゆがめられていると主張します。コーネル大学のグローバル労働研究所(Global Labor Institute)創設者所長のショーン・スウィーニーと米国合同輸送組合の副総裁ブルース・ハミルトンに話を聞きます。

  • リマでの国連気候変動会議は、正式交渉の終了まで余すところ数時間になりました。1週間にわたる報道の締めくくりです。「貧困国はすでに現実的な影響を被っています。彼らが身を守るためにとる対策に必要な資金を先進国が提供しなければ、世界中で貧しい人々が対処のすべもないまま飢餓に直面し、いっそうの貧困に落ち込みます。」と、オックスファム事務局長のウィニー・ビャニーマは述べます。「でも気候変動危機を引き起こしたのはこの人たちでははありません。彼等には気候変動の問題を自力で解決する手段もありません。ですから、これは、正義と人権の問題なのです」。フレンズ・オブ・ジ・アース(FOE)インターナショナルの気候正義とエネルギー担当コーディネーターのディプチ・バートネイガーにも話を聞きます。この団体はCOP20でのダイインの計画を支援し、交渉中のグローバルな合意で無視されている人々に関心を向けるよう呼びかけました。

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