デイリーニュース

  • ノルウェーの射撃事件容疑者の視点 米欧の極右の外国人嫌悪症を反映

    76人を殺害したノルウェーの事件の前に、容疑者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクは自身の政治的信念を綿密に綴った長文の文書を残していました。1500ページ余りに及ぶ彼のこの政治マニフェストは「ヨーロッパ独立宣言」と題され、世界中の、特に米国の外国人憎悪著しい右翼団体と共通する目的を掲げています。それが多く依拠するものは著名な反イスラムのアメリカ人ブロガーや爆弾魔「ユナボマー」として知られるテッド・カジンスキーの書いたものです。彼の文書から、彼がイスラム教徒、マルクス主義者、多文化主義者、フェミニストの女性たちを全体的に憎悪する右翼国粋主義者だということが明らかです。ノルウェーの大虐殺の後でさえ、米国の右翼評論家たちは公にブレイビクの見解を擁護する姿勢を示しました。米国の右翼運動を広範に記述してきた作家で、ブレイビクの1500ページのマニフェストも読んだジェフ・シャーレットに話を聞きます。「この文書を読んで最もショックだったことは、これがじつに、すべての意味でなんと米国的であるかということでした。というのも、このうちの大きな部分のネタ元はアメリカ人の書いたものなんですよ」とシャーレットは言います。「彼は大変なアメリカ崇拝者です。合州国はヨーロッパと違って“キリスト教徒のアイデンティティ”をいまも維持していると言っているのです」

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    2011/7/27(Wed)
    記事番号: 
    1
  • 独占:解雇された米軍内部告発者がハリバートン社のイラクでの無入札契約暴露で97万ドルの和解金を勝ち取る

    米陸軍工兵司令部の元契約監査長のバンナティン“バーニー”グリーンハウスは、当時副大統領だったディック・チェイニーがトップを務めていたハリバートン社との数十億ドルの無入札契約を公的に批判したことで降格された6年後に、97万ドルの和解に達しました。グリーンハウスは、国防総省がハリバートンの子会社であるケロッグ・ブラウン・アンド・ルートと不当に契約を結んだことを非難していました。2005年6月に議会で証言した彼女は、この契約を、政府の職権乱用としては、自分の勤続20年で目撃した中で最悪であると述べました。この証言の2ヶ月後、彼女は「能力不足」という名目で国防総省で降格されました。彼女は政府の契約監査員としてを20年間高い評価を得、米陸軍工兵司令部の上級文民監査員となりました。全国内部告発センター(National Whistleblowers Center)の協力を得て、グリーンハウスは彼女の降格に対する訴訟を起こしました。デモクラシー・ナウ!では、グリーンハウスによる政府の内部告発者たちにとっての大勝利にもあたる和解発表を独占放送します。グリーンハウスの弁護士マイケル・コーンと全国内部告発センターのディレクタースティーブン・コーンにも話を聞きます。

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    2011/7/26(Tue)
    記事番号: 
    4
  • グレン・グリーンウォルド:ノルウェー事件が米国メディアの“テロリズム”に対する二重基準を露呈

    多くのニュースメディアとコメンテーターたちは当初、ノルウェーの爆破・乱射事件をイスラム過激派によるものと報じていました。ルパート・マードック所有の英紙ザ・サンは、一面に「アルカイダの大虐殺:ノルウェーの9/11」という見出しを掲げました。米国では、マードックのウォール・ストリート・ジャーナル紙が当初、「ノルウェーは欧米の規範に忠実であったから標的にされた」と報じ、犯行を“ジハーディスト(聖戦主義者)たち”によるものとしていました。一方、ワシントン・ポスト紙のウェブサイトで、ジェ二ファー・ルビンは「これは、ジハーディストたちに対する戦争をするのは対価が高すぎると考える人たちに対して現実を突きつけたメッセージなのです」と書きました。事件に対するメディアの報道について討論するため、憲法専門の弁護士で、政治と法律問題のブロガーでもあるグレン・グリーンウォルドに話を聞きます。彼はSalon.comに今回のノルウェー事件のメディア報道について書いています。「結局イスラム教徒は関与しておらず、現実には犯行は、世界観の一部に異様な反イスラム主義と執拗な反イスラム偏見を持つ右派の国粋主義者によるものとわかったとき、“テロリズム”という言葉は、主流メディアの言説からほぼ完全に消滅しました。そのかわりに彼は“狂人”とか“過激派”と呼ばれ始めたわけです」とグレンウォルドは言います。

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    2011/7/26(Tue)
    記事番号: 
    3
  • ノルウェー事件が明らかにする欧州で広がる暴力的な反イスラム感情

    ノルウェーでの銃乱射と爆破の犯行を認めたアンネシュ・ベーリング・ブレイビクは、「マルクス主義とイスラム教徒による植民地化」からノルウェーとヨーロッパを救うために行動したと主張する反イスラムの過激右派と描写されています。こうした見方が広まっていることとその正当性について、ノルウェーの反人種主義センター(Norwegian Center Against Racism)のディレクターであるカリ・ヘレン・パータプオリと話します。彼女は、ブレイビグのイデオロギーは部分的に、ノルウェー防衛同盟(Norwegian Defence League)とノルウェーのイスラム化を阻止する会(Stop the Islamisation of Norway)という団体による影響で形成されたと言います。「彼は単に乱射を行ったのではありません。彼は右派の政治環境によって形成されたのです」とパータプオリは言います。

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    2011/7/26(Tue)
    記事番号: 
    2
  • ノルウェー大量殺人を目撃:生存者がウトヤ島の青年集会での乱射を語る

    ノルウェー警察は、銃撃犯とされるアンネシュ・ベーリング・ブレイビクが7月25日、オスロの裁判所で、彼の組織には“さらに二つの下部組織”があると話したことを受け、7月22日の銃乱射事件の捜査を拡大しました。審問の中でブレイビクは、銃撃については責任を認めましたが、テロ容疑は否定しました。ノルウェーのメディアは、彼が「人道に反する犯罪」で有罪判決を受けるなら、禁錮30年になるだろうと報じています。ブレイビクがオスロの政府庁舎の外で爆弾を爆発させ、その後労働党の夏の青年集会で乱射したことにより、少なくとも76人が死亡し、96人が負傷しました。オスロから、乱射事件の生存者であるアリ・エスバティに話を聞きます。経済学者である彼は、ワークショップを行うためノルウェーのウトヤ島の集会に参加していましたが、水に飛び込んで銃撃を逃れました。「18歳か19歳くらいの若い女性が撃たれるのを見ました。彼女は“私がここで死んでも、あなたたちはみんな素晴らしいということを忘れないで、そして努力しつづけて”と繰り返し訴えていました」。

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    2011/7/26(Tue)
    記事番号: 
    1
  • 先駆的なコメディアン、ロザンヌ・バー:「労働者階級の女神」としての俳優人生を語る

    1980年代後半から90年代にかけて、エミー賞受賞女優のロザンヌ・バーは大人気かつ画期的なテレビ番組『ロザンヌ』に主演しました。同番組は、同性愛者の権利を公に擁護した初のTVシリーズでした。『ロザンヌ』のあるエピソードでは、ロザンヌがマリエル・ヘミングウェイにキスをしましたが、これはテレビで放映された初のレズビアン同士のキスでした。『ロザンヌ』はまた、同性婚を取り上げた最初のシットコムでした。それ以外にも同番組は論争を呼ぶような数多くのテーマ、貧困や階級、中絶、フェミニズムなども取り上げました。番組初期には労組に対する明確な支持を打ち出し、番組終盤にかけてはアメリカ先住民に対する敬意を示し、ロザンヌは、論争含みの話題を避けることがありませんでした。作家のバーバラ・エーレンライクはかつて、ロザンヌ・バーを「女性というお先真っ暗の底辺階級、例えば安物の服を着た、出世自体がほとんど存在しないような職場の肥満した女性労働者たち、例えばそれはファストフード店のウェイトレスだったり工場従業員だったり主婦や社会的に認められていない女性労働力の構成員たちだったり、つまりそれは、見下され、恋人にも捨てられ、おまけに給料もろくにもらっていないような人たち」を代表していると称賛しました。

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    2011/7/25(Mon)
    記事番号: 
    2
  • 合法化初日、ニューヨーク州で数百人の同性愛カップルが結婚

    24日、全米で同性婚が認められた6番目の州で、かつ6州のなかで最も人口の多いニューヨーク州で、数百人の同性愛カップルが結婚しました。同州はコネチカット州、アイオア州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、バーモント州、コロンビア特別区に次いで同性婚を認可しました。しかし同性婚は依然として残りの39州で禁止されています。24日、キティ・ランバート(54) とシェリル・ラッド (53)は昔からのハネムーンの人気スポット、ナイアガラの滝で、結婚式を行いました。ともに孫もいる両女性は、家族や友人に囲まれて祝福を受けました。デモクラシー・ナウ!のエリザベス・プレスは、24日午前0時0分1秒から執り行われた「ニューヨーク州初」の同性婚を取材しました。ランバートは、「私たちは人々に、私たちが彼らの隣人であり、同僚であり、友人であり、家族の一員であることを理解してもらうように教えることができます。我々が望むことは一つだけで、私たち自身を守る権利です。私たちの隣人や同僚、友人や家族と同じく、法の下で保護されることです。これは、法の下での平等な保護に、平等にアクセスができるということです」と語りました。

    dailynews date: 
    2011/7/25(Mon)
    記事番号: 
    1
  • ジェンク・ユーグル 巨額契約の提示を蹴ってMSNBCを去る

    ケーブルテレビの24時間ニュース局MSNBCは、午後6時からの有名なアル・シャープトン師のプライムタイム枠をジェンク・ユーグルに与える準備を進めてきました。しかしインターネット経由のトーク番組ホストとして6カ月近い試験期間の後で、MSNBC社長のフィル・グリフィンはユーグルに巨額ながらあまり目立たない枠での番組ホストを提示したのです。ユーグルはこのオファーを断りました。この降格の決定は政治的な動機によるものだという理由です。ユーグルはワシントンでも政治家に最も攻撃的な質問をする人物、有名政治家にも食ってかかる人物として知られており、それがMSNBCの重役たちに二の足を踏ませたのだと彼は言います。彼によれば、グリフィンは4月に彼をオフィスに呼んで、ワシントンの連中と話をしてみたが彼らはどうもきみの話し振りが気に食わないようだと話したと言います。そのユーグル本人に話を聞きましょう。彼はいくつかリベラルなウェブサイトでブログをもっており、インターネットとラジオで「青年トルコ」(The Young Turks)といった人気番組を持っています。「企業メディアですからね。MSNBCだけの話じゃないですよ。CNNなら番組ホストが政府高官に激しく糾弾できると思います? 私はそうは思わないな」とユーグルは言います。

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    2011/7/22(Fri)
    記事番号: 
    4
  • 危機を後押し 米共和党が債務上限の危機をあおるのは極端な富裕者層優遇政策のため

    オバマ大統領と共和党のジョン・ベイナー下院議長が、8月2日の期限前に連邦債務の上限を引き上げるための取り引きの一部として、3兆ドルの財政赤字削減案パッケージの合意に近づいていると言われています。しかしこれは両党の議員から批判の的になっています。個人と法人の所得税率を下げることを求めていながら、たとえば住宅ローン金利分の控除など一連の大衆的な租税優遇措置を廃止するか縮小するとしているからです。民主党の議員の何人かが21日、怒りを表明しました。オバマ・ベイナー合意がソーシャル・セキュリティーやメディケアの手当を削減しないという民主党の公約に表向き違反しているためと、金持ちたちの税優遇措置を縮小させることなく貧困対策の大幅縮小はしないと言ったオバマ自身の公約にも違反しているというのです。経済学者のマイケル・ハドソンに話を聞きます。

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    2011/7/22(Fri)
    記事番号: 
    3
  • アフリカの角の飢饉:戦争と気候変動と新リベラル主義の「死のカクテル」で数百万人が危険に直面

    国連が「アフリカの角」地帯の干ばつに関して話し合う緊急会議を招集しました。国連によればすでに数万人が命を失っているとのことです。20日にはソマリアの2地方で飢饉が宣言されました。計370万人に火急の人道支援が必要な状態です。これに加え800万人がケニヤやエチオピアなど近隣諸国の食料援助を必要としています。国連事務局長の潘基文は状況を「紛争と食料高騰と干ばつの破滅的な組み合わせ」と呼び、即時の支援を訴えました。ナイロビに飛んで国連人道問題調整事務所のキキ・ベーホに最新状況を報告してもらいましょう。また、Tropic of Chaos: Climate Change and the New Geography of Violence(『混沌の回帰線:気候変動と新しい暴力地図』)の著者クリスチャン・パレンティにも話を聞きます。「これはここにいる人々には昔から予想できていたことです」とパレンティは言います。「これは戦争と気候変動と粗悪な政策の組み合わせで起きたことです。特に地方政府が極端な自由市場を容認する政策をとっており、これが牧畜民への補助を取りやめることにつながっている。牧畜民というのは、皆さんが目にしている餓死した牛と一緒にいるような人たちのことです」

    dailynews date: 
    2011/7/22(Fri)
    記事番号: 
    2

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