76人を殺害したノルウェーの事件の前に、容疑者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクは自身の政治的信念を綿密に綴った長文の文書を残していました。1500ページ余りに及ぶ彼のこの政治マニフェストは「ヨーロッパ独立宣言」と題され、世界中の、特に米国の外国人憎悪著しい右翼団体と共通する目的を掲げています。それが多く依拠するものは著名な反イスラムのアメリカ人ブロガーや爆弾魔「ユナボマー」として知られるテッド・カジンスキーの書いたものです。彼の文書から、彼がイスラム教徒、マルクス主義者、多文化主義者、フェミニストの女性たちを全体的に憎悪する右翼国粋主義者だということが明らかです。ノルウェーの大虐殺の後でさえ、米国の右翼評論家たちは公にブレイビクの見解を擁護する姿勢を示しました。米国の右翼運動を広範に記述してきた作家で、ブレイビクの1500ページのマニフェストも読んだジェフ・シャーレットに話を聞きます。「この文書を読んで最もショックだったことは、これがじつに、すべての意味でなんと米国的であるかということでした。というのも、このうちの大きな部分のネタ元はアメリカ人の書いたものなんですよ」とシャーレットは言います。「彼は大変なアメリカ崇拝者です。合州国はヨーロッパと違って“キリスト教徒のアイデンティティ”をいまも維持していると言っているのです」