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2014年8月18日(月)

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  • ミズーリ州ファーガソンで10代のアフリカ系アメリカ人マイケル・ブラウンが警官に殺害された事件で、遺族らの独自の検視の結果、ブラウンは頭部への発砲2回を含む少なくとも6回、銃で撃たれていたことが分かりました。一方、この事件をめぐって再び夜に抗議行動が行われたことを受け、ミズーリ州知事のジェイ・ニクソンは、ファーガソンへの州兵派遣を命じました。ニクソンは声明で州兵派遣を決めた理由について「意図的で組織的な激しい暴力行為のため」と述べています。ここ2晩、警察は深夜12時から5時間の夜間外出禁止令を執行しようと努めています。17日夜、夜間外出禁止令が始まる前に通りの人を解散させるため地元警官は催涙ガス、発煙筒、ゴム弾を使用しました。警察は、抗議行動の一部参加者が火炎瓶を投げつけたり、警察署に突撃しようとしたと述べています。先だって17日の日中、グレーター・グレース教会に1300人が集まり、マイケル・ブラウンの両親が出席した集会に参加しました。この集会で行われたスピーチの一部を紹介します。

  • 警察当局がマイケル・ブラウンを射殺した警察官の氏名がダレン・ウィルソンであることを、5日間の引き延ばしの末についに公表したことを受け、週末にかけてミズーリ州ファーガソンでは地域の怒りの声が高まりました。しかし警察当局はウィルソンの氏名公表に合わせ、ブラウンと見られる青年男性がコンビニからシガリロを万引きしているビデオも公開しました。ファーガソン警察は、ブラウンが何発の銃弾を浴びたかや報告書などを含む事件のあらゆる情報の公表を差し止めている一方で、このビデオを公開しました。このビデオを公開することにより、警察はブラウンは万引きの容疑者として警官に呼び止められた可能性があると示唆しようとしているようにみられました。しかしその数時間後、警察側は、射殺した警官がこの万引きのことを知らず、ただ道路の真ん中を歩いていたから呼び止めただけだことを認めました。セントルイスから番組に参加したウェイマンAME教会の主任牧師のクリントン・スタンシル牧師は、トム・ジャクソン警察署長は辞職すべきだと話しています。また、同市から選挙で選ばれた議員らに多様性が欠けているとの懸念が上がっていることへの対策として、次の選挙に向けてアフリカ系アメリカ人有権者を活発化させる努力も行われていると語りました。

  • ファーガソンで抗議活動が続く中、2010年にファーガソン・フロリサント学区でアフリカ系アメリカ人として初めての校長に就任したアート・マッコイに話を聞きます。しかしその3年後、マッコイは説明もなしに停職となり、今年の辞職につながった議論を喚起しました。彼が停職になった頃、学区内の4分の3の生徒が黒人だったにもかかわらず、教育委員会内にはアフリカ系アメリカ人がいませんでした。マッコイは現在、ミズーリ大学教育学部の非常勤教授と全国都市同盟のセントルイス地区役員を務めています。

  • 武装化した警官隊による弾圧や夜間外出禁止令の執行などが行われた1週間を経て、アムネスティ・インターナショナル米国支部は、ミズーリ州ファーガソンの状況を監視する13人の代表団を派遣する「前代未聞の」措置をとりました。アムネスティが米国内に監視員を配備するのは初めてです。アムネスティ・インターナショナル米国支部代表のスティーブン・ホーキンスに話をききます。

  • ファーガソンの抗議行動の現場から数マイル先のウェスト・フロリサント通りにあるカルバリー墓地には、ドレッド・スコットの墓があります。ドレッド・スコットはバージニア州で奴隷として生まれ、セントルイス裁判所で自らの自由を求めて訴訟を起こしました。この訴訟は最高裁判所まで行き、アフリカ系アメリカ人はアメリカ市民ではなく、それゆえに連邦裁判所で訴訟を起こす権利を持っていないとする歴史的な判決が1857年に下されました。裁判所は、黒人を「劣った人種であり、総体として社会的にも政治的にも白人と交流することが不適切であり、白人が尊重される権利を認められないほどに劣っている」と表現しました。ドレッド・スコットへの判決は、最高裁判所の歴史の中で最悪の判決だったと多くの人が考えています。カリフォルニア大学ロサンゼルス校とコロンビア大学の法学部教授で「アフリカ系アメリカ人政策フォーラム」創設者のキンバーレ・クレンショーにこの訴訟の意味について話を聞きます。

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