デイリーニュース

  • 中絶容認最高裁判決が覆された場合の米国の姿とは?反中絶法続出ですでに実体験者も

    5月第3週、米最高裁判所のステファン・ブレイヤー判事が、ロー対ウェイド判決(中絶に対し憲法上の権利を認める判決)が危機にあることを示唆する裁判席からの発言を行ない、多くはそれを真摯な警告と理解しています。彼はこのコメントを、40年前の判例を覆すことが票決された別件の判決への異議表明の中で述べました。「本日の判決だけでも、次に棄却されるのがどの判例かを考えさせられる」と述べました。ロー判決転覆後のアメリカはどのように見えるのか、そして全米で既に中絶へのアクセスが絶たれている人はどれぐらいの数なのかについて、ジャーナリストのロビン・マーティ記者に話を聞きます。

    dailynews date: 
    2019/5/17(Fri)
    記事番号: 
    2
  • 州新法により中絶施術で99年の禁固刑となる可能性のあるアラバマの医師

    5月15日、アラバマ州のケイ・アイヴィー知事は、母体の健康が危険な状態である場合を除き事実上中絶の手術を全面禁止する、全米で最も厳しい人工中絶禁止法に署名しました。この法案はレイプや近親相姦による妊娠でも中絶を認めないとしており、中絶を施した医者は99年間の禁固刑となるとされています。州内最後の3つの中絶サービスを提供する診療所の1つ、「アラバマ・リプロダクティブ・オルタナティブのための女性センター」(Alabama Women’s Center for Reproductive Alternatives)の医療部長、ヤシカ・ロビンソン医師に話を聞きます。彼女はアラバマ州に住んで働いている中絶を施術する2人の医師の1人です。新しい法律では、彼女が自分の職務を果たすことによって残りの人生を刑務所で過ごさなければならなくなる可能性があります。

    dailynews date: 
    2019/5/17(Fri)
    記事番号: 
    1
  • プラスチック汚染削減に世界各国が大きな一歩を踏み出すも 米国は参加を拒否

    5月11日、米国を除く世界中のほとんどの国がプラスチックごみ削減へ歴史的一歩を踏み出しました。180カ国以上が有害廃棄物の越境移動およびその処分の管理に関するバーゼル条約にプラスチックを加えることに同意したのです。30年前に発効されたこの条約を批准していないのは米国を含む2カ国のみです。ジュネーブで行われた交渉では、米環境保護庁(EPA)および米国務省がプラスチック産業と共に、この歴史的で法的拘束力を持つ合意を挫折させようとしました。しかし条約の参加国は、他国からの混合またはリサイクル不可能なごみの廃棄を阻止できるため、米国もこの影響を受けることになります。今回修正されたこの条約では、リサイクルができない状態のプラスチックごみの輸出が禁止されるため、富裕国が貧困にあえぐ国々にリサイクルできないプラスチックごみを送り付けることが困難になります。国連の推定によれば、1億トンのプラスチックごみが世界中に漂っています。「国際汚染廃絶ネットワーク」(International Pollutants Elimination Network)共同議長で、「有害物質に対するアラスカ・コミュニティ・アクション」(Alaska Community Action on Toxics)代表のパム・ミラーに話を聞きます。

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    2019/5/16(Thu)
    記事番号: 
    3
  • 米環境保護庁が除草剤ラウンドアップは安全と主張するも 陪審はモンサントに20億ドルの賠償金を命じる

    農業ビジネスの巨大企業モンサント社は、人気の除草剤ラウンドアップを巡る巨大訴訟で、これまでで最高の賠償金の支払いを命じられました。原告であるアルバおよびアルベルタ・ピリオド夫妻は、数十年に渡り自宅でラウンドアップを使用していましたが、どちらも非ホジキンリンパ腫と診断されています。この訴訟で陪審はモンサントに対して20億ドルの懲罰的損害賠償金の支払いを命じました。モンサントは現在、ドイツの製薬会社バイエルが所有しています。除草剤ラウンドアップの主要原料であるグリホサートは、発がん性があるといわれており、弁護士によれば全米各地でこの除草剤を巡る同様の裁判が数千件起こされているということです。2017年にはカリフォルニア州の陪審が、定期的にラウンドアップを使用後、がんになった学校の用務員に対し、モンサントに2億8900万ドルの賠償金の支払いを命じました。この用務員46歳のドゥエイン・ジョンソンも、非ホジキンリンパ腫を患っています。米環境保護庁(EPA)は、グリホサートに発がん性はないとしていますが、他の科学的研究や世界保健機関(WHO)は、グリホサートにさらされたヒトはがんを発症する恐れがあると結論付けています。アルバおよびアルベルタ・ピリオド夫妻が起こした裁判の共同リード弁護士ブレント・ウィズナーに話を聞きます。

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    2019/5/16(Thu)
    記事番号: 
    2
  • 「シリア秘密刑務所の内側」:反対派を鎮圧したアサドの拷問機関への悲惨な証言

    ニューヨークタイムズ紙による衝撃的な暴露記事で、2011年にシリアで反政府運動が巻き起こって以来バッシャール・アル=アサド政権が、数万人のシリア人を拘束、拷問してきたことが明らかになりました。「人権擁護のためのシリア・ネットワーク」(Syrian Network for Human Rights/SNHR)によれば12万8000人近くが行方不明になったままです。彼らは死亡したか、未だ拘束されていると見られています。SNHRの推定では、約1万4000人が拷問により殺害されました。現在、戦闘は下火になっていますが拘束はまだ続いています。報道によれば、2017年には5600人以上が違法に拘束されており、この数は前年よりも25パーセント増えています。シリア政府は秘密の拷問・拘束プログラムの存在を否定していますが、拷問プログラムの規模を示す更なる証拠が出てきています。これには政府内部資料含まれています。限られたトイレ数、病気の蔓延、少量で腐った食事、そして医師の不在など、この刑務所の状態は「絶滅」を目指しているに等しいと国連委員会は発表しています。記事を執筆したアン・バーナード記者に話を聞きます。バーナードは、ニューヨークタイムズ紙記者で、外交問題評議会のフェローです。

    dailynews date: 
    2019/5/16(Thu)
    記事番号: 
    1
  • 独裁政権打倒後、スーダンの抗議運動は軍政から民政への移管を要求

    スーダン民衆の大規模な抗議行動は、4月の軍事クーデター後も続き、民政移管を求めています。13日に暫定軍事評議会は、暫定統治機構について、抗議運動の指導者たちと合意に達したと述べました。4月の軍事クーデターで、長期政権を維持してきたオマル・バシル大統領を打倒したデモ隊は、軍政から民政への移管を要求してきました。この発表は13日に首都ハルツームの軍本部前で治安部隊と民兵部隊が、群衆に向けて発砲し、少なくとも6人のデモ参加者と治安部隊の軍人1名が殺害された後に、なされました。さらに数十人が負傷しました。同日、失脚したオマル・バシル大統領は、政権打倒を招いた民衆蜂起中にデモ参加者たちを殺害したとして、起訴されました。スーダン医師中央委員会は、抗議行動中に90人が死亡したとしています。抗議デモの参加者たちは、100%民政に移行するまで座り込みと行進を続けると断言しています。ニューヨークを拠点とするスーダンの活動家、マリン・アルニールに話を聞きます。

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    2019/5/15(Wed)
    記事番号: 
    4
  • メディア・ベンジャミン:イランとの戦争に反対するために反戦運動の構築が必要

    米国務省は、いわゆるホワイトハウスがイラン関連する脅威が高まっているとして、イラクにある米大使館および領事館の緊急対応要員以外の職員全員に退避命令を出しました。それ以上の詳細説明は出されていません。イラク政府当局は、米国が主張するような脅威の存在について懐疑を表明しており、「イスラム国」と闘うアメリカ主導の有志連合の副司令官である英国の高官も、同様な発言をしています。米国とイラン双方が「戦争を求めていない」と話しているにもかかわらず、両国間の緊張は高まり続けています。ニューヨークタイムズ紙の報道によると、国防総省はトランプ大統領がイランに対して軍事行動をとることを決定した場合、米軍は最大12万人を中東に派遣する計画を策定しています。米国はまた、最近、「イラン政府軍による信じるに足る軍事的脅威」が存在すると主張して、この地域に空母攻撃部隊と爆撃機動部隊を配備しました。イランとの戦争の脅威の高まりと、国家安全保障担当大統領補佐官ジョン・ボルトンの役割について、「コードピンク(CODEPINK)」の共同設立者であるメディア・ベンジャミンに話を聞きます。ベンジャミンによるとボルトンは、何年にもわたりイランとの戦争を後押ししてきた人物です。

    dailynews date: 
    2019/5/15(Wed)
    記事番号: 
    3
  • 脅迫と送電停止にもかかわらず、首都ワシントンD.C.のベネズエラ大使館内にとどまる反クーデター活動家たち

    ワシントンのベネズエラ大使館には、警察が13日夜に建物を急襲した後も、4人の活動家がとどまっています。「コードピンク」(CodePink)、ANSWER連合(Act Now to Stop War and End Racism / 戦争をとめ人種差別を終わらせるために今、行動を)および「民衆の抵抗」(Popular Resistance)の活動家たちは、ベネズエラ政府の招聘を受け、フアン・グアイドに率いられ、米国の後ろ盾を受けたベネズエラの反政権派に大使館が奪取されることを妨げるために、4月下旬から大使館内に滞在しています。先週、米当局は大使館への水と電気を遮断しました。「コードピンク」の共同設立者であるメディア・ベンジャミンに、大使館で進行中の籠城について話を聞きます。

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    2019/5/15(Wed)
    記事番号: 
    2
  • アラバマ州、妊娠中絶の権利を認めた連邦最高裁判決を覆す「ステルス キャンペーン」の一環として、ほぼすべての中絶の禁じる法案を可決

    14日、アラバマ州議会議員たちは、米国内で最も厳しい人工妊娠中絶禁止法を可決して、事実上、中絶禁止に賛成する投票を行ない、憲法に基づいて中絶の権利を認めた連邦最高裁の「ロー対ウェイド」判決にまっこうから挑戦しました。アラバマ州下院で4月に、州上院では5月14日に可決されたこの法案は、すべての段階で中絶を禁止しています。中絶を行った医師は、最大99年間の禁固刑が科される可能性があります。強姦や近親相姦による妊娠も例外とせず、母親の生命に深刻なリスクが生じた場合だけが唯一の例外とされます。法案は現在、制定に向け、妊娠中絶反対派の共和党知事ケイ・アイヴィーに届けられる途上ですが、知事は署名するだろうというのがおおかたの予想です。反対派は、立法化されたら、法廷で異議を唱えると言っていますが、まさにそれが、問題点です。この法案の立法化を背後で企画している人々は、それを使って、合衆国憲法に基づいて中絶の権利を認めたロー対ウェイド判決に戦いを挑みたいのです。報道サイト「リワイア・ニュース」(Rewire.News)のジェシカ・メイソン・ピークロと「シスターソング」(性と生殖に関するリプロダクティブ・ジャスティスを求める共同体)のモニカ・シンプソンとに話を聞きます。

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    2019/5/15(Wed)
    記事番号: 
    1
  • 『謝罪』イブ・エンスラーの新刊は虐待的な父親が書いてくれていたらと願った手紙

    「私はもう待つのを終わりにします」。これがイブ・エンスラーの画期的な新刊The Apology(『謝罪』)の最初の言葉です。この本の中で世界的に有名な劇作家で活動家の彼女は、彼女が生涯待ち続けてきた言葉「ごめんなさい」を聞くことが、虐待の被害者にとってどういう意味を持つのかを想像しています。イブ・エンスラーの父親は、彼女がわずか5歳のときから少女期を通じて彼女を性的・肉体的に虐待しました。彼の虐待は計り知れないほどの肉体的および精神的苦痛をもたらしましたが、彼は自らの行動を決して謝罪しませんでした。そこでイブ・エンスラーは、父親の死から数十年経った今、彼のために謝罪を書こうと決心しました。その結果がこの素晴らしい新刊です。エンスラーはその中で、彼女の父親の視点から彼女自身に向けて書いています。この本の前書きの中で彼女は次のように書いています。「私の父親はだいぶ前に亡くなりました。彼はもう私に向けて謝罪の言葉を発することはありません。彼が謝罪をすることはもうありません。だから、それは想像されなければなりません。なぜなら想像の中では、私たちは境界線を越えて夢を見、物語を深化させ、別の結末を形作ることができるのですから」。エンスラーは、この本が「報いの時代」の青写真になることを願っていると言います。

    dailynews date: 
    2019/5/14(Tue)
    記事番号: 
    2

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