ジョージア州の移民・関税執行局(ICE)関連施設で起きた強制的な子宮摘出が明らかになり、米国の、特に黒人をはじめとする有色人種、貧困層、障害者に対する、強制的な不妊手術の長い歴史と、今でもこうした手術が留置所や刑務所内で引き続き行われていることについて改めて考えさせられずにはいられません。2001 年にカリフォルニア州チャウチラのセントラル・カリフォルニア女性施設(The Central California Women’s Facility)で不妊手術をされ、ドキュメンタリー映画Belly of the Beast(『野獣の腹』)で取り上げられているケリ・ディリオンに話を聞きます。この映画は、カリフォルニア州の獄中で望まない不妊手術の対象となった女性たちの物語を伝えています。彼女は、収監されている女性たちは、単に医療記録を要求するだけで「罰せられる」と言います。「もし私たちが食い下がれば、懲罰の対象となるか、ときには監房に閉じ込められます」と、強制不妊虐待の被害者として初めて2006年にカリフォルニア州更生局に対する損害賠償の訴えを起こしたディリオンは言います。カリフォルニア州更生リハビリ局は2006年から2010年の間、規則である州の認可を取らずに150人近くの女性たちに不妊手術をしました。