デイリーニュース

  • 『野獣の腹』:正義のために闘う カリフォニア州刑務所での強制不妊手術の被害者たち

    ジョージア州の移民・関税執行局(ICE)関連施設で起きた強制的な子宮摘出が明らかになり、米国の、特に黒人をはじめとする有色人種、貧困層、障害者に対する、強制的な不妊手術の長い歴史と、今でもこうした手術が留置所や刑務所内で引き続き行われていることについて改めて考えさせられずにはいられません。2001 年にカリフォルニア州チャウチラのセントラル・カリフォルニア女性施設(The Central California Women’s Facility)で不妊手術をされ、ドキュメンタリー映画Belly of the Beast(『野獣の腹』)で取り上げられているケリ・ディリオンに話を聞きます。この映画は、カリフォルニア州の獄中で望まない不妊手術の対象となった女性たちの物語を伝えています。彼女は、収監されている女性たちは、単に医療記録を要求するだけで「罰せられる」と言います。「もし私たちが食い下がれば、懲罰の対象となるか、ときには監房に閉じ込められます」と、強制不妊虐待の被害者として初めて2006年にカリフォルニア州更生局に対する損害賠償の訴えを起こしたディリオンは言います。カリフォルニア州更生リハビリ局は2006年から2010年の間、規則である州の認可を取らずに150人近くの女性たちに不妊手術をしました。

    dailynews date: 
    2020/9/22(Tue)
    記事番号: 
    2
  • ICE留置所の看護師が内部告発 強制不妊手術とCOVIDによる8番目の死者が出る中での監護放棄

    米移民・関税執行局(ICE)は、2020年度に入ってから20人目の死者が留置施設内で出たことを認めました。ICEの歴史の中で一番多くの死者を出した年となっています。衝撃的な訴えの中心的な役割を果たしている内部告発者に話を聞きましょう。この訴えでは、ジョージア州にあるICEの留置施設で、新型コロナウイルスのための安全措置を守っていないうえ、多くのこう留者に対し希望されていない子宮摘出手術が行われているとされています。この子宮摘出手術を行った医者は、施設内の女性たちの間で「子宮コレクター」として知られるようになりました。内部告発者のドーン・ウーテンは、アーウィン郡収容所(Irwin County Detention Center)の看護師で、この施設での監護義務の放棄と虐待には「唖然とさせられた」と言います。団体「プロジェクト・サウス」(Project South)の法律および支援活動の責任者で、今すぐ関係官庁が動くべきだと言うアザデ・シャシャハニにも話を聞きます。「こうした施設でさらなる悲劇が起こらないうちに政治家が現状に対し行動を起こすのに、今起きていること以上に何が必要なのでしょう?|と、彼女は言います。

    dailynews date: 
    2020/9/22(Tue)
    記事番号: 
    1
  • 「国民的な悲劇」 ルース・ベイダー・ギンズバーグの友人で「お気に入りのクライアント」が司法界の象徴を振り返る

    米国最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグは、1970年代にアメリカ自由人権協会(ACLU)の「女性の権利プロジェクト」(Women’s Rights Project)を共同創設し、最高裁で6件のジェンダー差別裁判の弁論を行ったことで著名になりました。その1つが妻を出産で亡くした夫が原告となった「ワインバーガー対ウイーゼンフェルド」裁判です。焦点は、妻を亡くした夫に対する社会保障年金の受給権の有無でした。原告のスティーブン・ウイーゼンフェルドと話します。ウイーゼンフェルドは、遺族の受給権が認められるのは女性だけであるとして、男性であるために資格なしと告げられました。ギンズバーグは最高裁で、男性であることを理由に父親の権利を否定することは憲法違反であると弁論し、最高裁は8対0で彼女の主張を支持する決定を下しました。後にギンズバーグと生涯の友人となったウイーゼンフェルドは、「ギンズバーグはきわめて保守的な裁判官を相手に、1つのジェンダーを傷つける因習はもう一方のジェンダーも傷つけると説きました」と言います。

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    2020/9/21(Mon)
    記事番号: 
    3
  • 映画『RBG』 ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の生涯を振り返る ジェンダー・エクィティの闘い

    ルース・ベイダー・ギンズバーグ連邦最高裁判事は晩年、そのイニシャルRBGだけで国際的に通用するようになっていました。ギンズバーグの法律家としてのキャリア、個人史、予期せぬ名声を描いた2018年のドキュメンタリー映画『RBG 最強の85才』は大ヒットとなりました。アカデミー賞ノミネート作品『RBG』の共同監督ジュリー・コーエンに、ギンズバーグの若い時代、女性の平等な権利のための闘いについて聞きます。ギンズバーグの闘いには、彼女を見下す態度をとる男性判事だけで構成された最高裁での弁論も含まれます。「彼女が見下しに屈することなど、決してありませんでした。徹底的に戦略的な人物でした」とコーエンは話します。

    dailynews date: 
    2020/9/21(Mon)
    記事番号: 
    2
  • ルース・ベイダー・ギンズバーグ追悼:米司法界の偉人の死 ワシントンD.C.では後任指名をめぐる激しい闘いが始まる

    オンラインマガジン「スレート」(Slate)司法上級通信員として最高裁を報道するシニアエディター、ダリア・リスウィックを招き、ルース・ベイダー・ギンズバーグの生涯と遺産、米連邦最高裁の今後について幅広くみていきます。ギンズバーグは9月18日、最高裁判事を27年間務めた後、87歳で亡くなりました。最高裁で最も有名なリベラル派の判事でした。11月の大統領選挙の僅か46日前の彼女の死は、後任人事をめぐる政治論争を引き起こしました。トランプ大統領と共和党上院議員の多くは、早ければ今週の金曜か土曜までに右派の判事を指名、承認すると明言しています。共和党が多数を占める上院院内総務だったミッチ・マコーネルは2016年、大統領選挙の269日前に死亡した最高裁判事アントニン・スカリアの後任としてオバマ大統領が指名したメリック・ガーランドの承認公聴会の開催を拒否しました。リスウィックは、「偽善と呼ぶにもはばかれる行いです。最高裁は、世論とも、この国の意思とも根本的にずれています」と言います。

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    2020/9/21(Mon)
    記事番号: 
    1
  • トランプ大統領は故ハワード・ジンの著作を「プロパガンダ」呼ばわり 歴史家本人の言葉を聞く

    トランプ大統領は今週、2010年に亡くなった伝説の歴史家ハワード・ジンの作品を「プロパガンダ 」と表現しました。「学生たちが自国の歴史を恥じるようにする」ためのものであると。しかし、ジンが信じていたのはその逆で、歴史についてごまかしのない真実を教えることが、プロパガンダや未検証の常識に対抗するための最良の方法であるということでした。ハワード・ジンが教育へのアプローチを説明した2009年のインタビューの抜粋を放送します。「私たちは若者に正直であるべきです。騙してはいけません。この国の歴史を正直に語るべきです」とジンは述べています。

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    2020/9/18(Fri)
    記事番号: 
    3
  • 山火事が西部で猛威を振るう中トランプ大統領は石油大手を救済し海洋大気庁の要職に気候否定論者を指名

    気候変動で激化した山火事が米国西部で猛威を振るう中、トランプ政権は有名な気候変動否定論者を米国海洋大気庁(NOAA)の要職に指名しました。デラウェア大学のデイビッド・レゲイツ教授は、化石燃料の排出量の増加を求める論文を執筆し、富豪のロバート・マーサーが資金提供するハートランド研究所やコーク・インダストリーズ、大手ガス会社などから研究の支援を受けてきました。レゲイツは最近、NOAAの観測・予測担当の商務次官補に採用されました。NOAAの元主席気候科学者デイビッド・グッドリッチは、レゲイツの任命は科学界の圧倒的なコンセンサスに反していると言います。「科学者の約97%がレゲイツ博士の立場に反対しています」。グッドリッチは2009年から2011年までNOAAの気候観測部長を務めました。最新の著書A Voyage Across an Ancient Ocean(『古代の海をわたる旅』)は、アルバータ州のタールサンドからノースダコタ州のバッケン油田までの壮大な自転車の旅を通して、化石燃料産業の影響を考察しています。

    dailynews date: 
    2020/9/18(Fri)
    記事番号: 
    2
  • トランプ対マスク:疾病対策センターや医師や科学者を攻撃し「パンデミック対策の柱」を弱める

    COVID-19による米国の死者数は公式発表で20万人に近づいています。トランプ大統領がマスク着用の奨励を拒んだことが、感染の拡大を助長したと、感染症の専門家モニカ・ガンジー医師は言います。「マスクはパンデミック対策の柱です。ものすごく重要なのです」。彼女はカリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学教授で、サンフランシスコ総合病院の診療科のトップです。「いまや世界のどこにも、マスクについてこんな論争をしている国などありません。しかも大統領選挙のレベルでですよ。もし私たちが最初の段階でいつもマスクを着用し始めていたら、多くの死者や感染者を出さずに済んだでしょう」。

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    2020/9/18(Fri)
    記事番号: 
    1
  • ウィキリークスのジュリアン・アサンジ送還問題は 国の報道の自由への攻撃だ ダニエル・エルスバーグが警告

    ペンタゴン・ペーパーズで内部告発をした伝説的ダニエル・エルスバーグが、ロンドンで行われたジュリアン・アサンジの米国への送還審理で、アサンジ側の証人としてビデオストリームで証言を行いました。アサンジの米国への送還は、いずれ報道の自由に影響が及ぶものだと語ります。ウィキリークス創設者アサンジは、イラクとアフガニスタンで米軍が犯した戦争犯罪を明らかした外交公電を公表したことで、次々と諜報およびハッキング容疑がかけられています。アサンジが送還されれば、有罪になることはほぼ確実で、禁固刑175年になる可能性があります。「アメリカの報道メディアは、40年前の私の事件で明らかになったとおり、諜報活動取締法には報道を直接、標的とした表現が含まれていると分かっているのに、その現実から目をそらしてきました」とエルスバーグは言います。「諜報活動取締法が使われることで、米国のジャーナリストと発行者は、彼らの報道活動に、銃口が向けられるのを目撃しているのです」

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    2020/9/17(Thu)
    記事番号: 
    3
  • ギリシャのモリア難民キャンプが火事で焼失 難民キャンプの代替えよりも移住を求める声が高まる

    ギリシャ、レスボスのモリア難民キャンプで起こった大火災についての最新情報を放送します。この火災でアフガニスタン、アフリカ諸国、そしてシリアからの難民と移民1万3000人が住まい、食べ物、衛生設備へのアクセスを失いました。今回の火事でコロナウイルスの感染が高まり、移民たちはパンデミック中の住環境に抗議しています。女性と子供も多く含む亡命希望者は、レスボス島を離れたいと求めていますが、ギリシャ政府は火事で行き場を失った人々のほとんどを本島に移住させるのを拒否しています。「ギリシャ政府は人々の抵抗心をくじこうとしていたのだろうと思います」と、レスボスからフランツィスカ・グリルマイヤー記者が語ります。

    dailynews date: 
    2020/9/17(Thu)
    記事番号: 
    2

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