移民税関捜査局の移民収容施設で新型コロナの感染が急増、人権団体がトランプ大統領の移民政策の転換をバイデンに要求

【20/12/16/2】ジョー・バイデン次期大統領は、2020年の選挙戦で、ドナルド・トランプ大統領がきびしく規制を強めた移民政策を転換すると公約しました。しかし、当選確定後、バイデンが示した4つの最優先事項に移民問題は入っていません。何百人もの移民活動家とその協力者たちが、バイデンの地元、デラウェア州ウィルミントンで何台もの車を連ねて抗議をアピールするキャラバン行動を行い、大統領に就任後100日以内に、強制送還を一時停止するモラトリアムを発令するとともに、滞在許可証をもっていない人々が市民権を得られる道筋をつけるよう、要求しました。こんな状況下、移民税関執行局(ICE)の移民収容施設の半数以上で、現在、新型コロナウイルスの感染がひろまっていると報じられています。抗議者たちは、ワシントン州タコマで、GEOグループが運営するノースウエスト拘置所前にも結集しています。この施設では、新型コロナの検査で、収容者一人が新たに陽性反応を示し、感染者数は少なくとも22人にのぼっています。ICEは、施設の状況に抗議したり、施設からの釈放を求めた大勢の収容者に対して、独房に監禁するなどの懲罰を与えています。「ICEの刑務官や職員がウイルスを持ち込んでいるのです。検査結果が陽性であっても、出勤してくるのですから」と、ゲストのマル・モラ=ビジャルパンドは言います。マルは、滞在許可証を持たない移民の活動家で、支援団体のラ・レシステンシア(La Resistencia、スペイン語で「抵抗」)の共同創設者です。もう一人のゲストは、マヌエル・アブレゴです。マヌエルもラ・レシステンシアに所属し、タコマの施設の収容者に対する電話支援システムの責任者を務めています。自身も同施設で8カ月間、独房監禁されたといいます。施設状況の悪さに抗議してハンガーストライキを行ったためで、その体験を語ってくれます。
