未解決の人種テロ事件:1946年ジョージア州で起きた「ムアーズフォード橋のリンチ」をFBIが捜査

2015/2/20(Fri)
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報道によれば、連邦捜査当局は、現代史上で最悪の集団リンチ事件のひとつについて、実行犯が現在も生存しており、裁判にかけることが可能かどうかを捜査中です。1946年7月25日、ジョージア州の農村地帯で、白人の群衆がアフリカ系アメリカ人の2組のカップルが乗った車を待ち伏せし、車から引き摺り下ろして、射殺しました。被害者の男性の一人、ジョージ・ドーシーは、第2次大戦中、海外で5年間、兵役についた後、帰国して間もない退役軍人でした。妻のメイ・マレイ・ドーシーも殺害されました。同乗していたもう一人の女性、ドロシー・マルコムは妊娠7カ月でした。群衆は、ドロシーの腹を割き、胎児を引き出しました。夫のロジャー・マルコムは白人男性を刺したとして訴追され、保釈金を払って出獄したばかりでした。検視官は、群衆の間から2組のカップルに向けて60発以上の弾丸が至近距離から発射されたと推定しています。この恐怖の襲撃は、ジョージア州ウォルトン郡のムーアズフォード橋近辺で起きました。事件は「ムーアズフォード橋のリンチ」として知られるようになり、全米で抗議を巻き起こし、ハリー・トルーマン大統領が公民権改革を推進するきっかけになりました。FBIも捜査にあたりましたが、この4人の殺人事件で、起訴された人物は皆無でした。ところが、この襲撃に関与したとされる一人の人物の親戚、ウェイン・ワトソンが、NAACP(黒人地位向上委員会)のビデオ・インタビューで名乗りをあげました。ワトソンは、叔父とほかの数人は、KKK(クークラックスクラン)のメンバーだったと語り、ほかの数人の名もあげています。NAACP全米委員会のメンバーで、元NAACPジョージア支部の支部長だったエドワード・デュボーズと、ジャーナリストのハーブ・ボイドに話を聞きます。

画像著作権:fireinacanebrake.com/協力:Charley Brooks

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