奴隷とアイビーリーグ: 米国秘史 名門大学の発展に奴隷制度が果たした役割

2013/10/30(Wed)
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数多くの米国名門大学 (ハーバード、エール、プリンストン、ブラウン、ダートマス、ルトガーズ、ウィリアムズ、ノースカロライナ大学など)の歴史が、米国に奴隷として連れてこられたアフリカ人たちの汗と、そして時には血に染まっていることを、上梓まで10年をかけた新著が検証しています。マサチューセッツ工科大学のアメリカ史教授クレイグ・スティーブン・ワイルダーは、新著Ebony & Ivy: Race, Slavery, and the Troubled History of America’s Universities(『エボニーとアイビー:人種、奴隷制、そしてアメリカの大学の問題ある歴史』)【訳注:エボニー(黒檀)は黒人の肌の色、アイビー(蔦)はアイビーリーグの名門大を示唆】で、奴隷経済と高等教育とが相互に成長してきたことを明らかにします。「植民地世界を考えるとき、米国独立戦争までは南部には大学は1つしかありませんでした。ウィリアム&メアリー大学です。……他にあった8つの大学はすべて北部の学校で、しかもたいていは商業経済の重要地点、つまり奴隷商人たちが権力を獲得し、新しい植民地文化の財政的かつ知的支援者として台頭したその場所に建てられているのです」とワイルダーは指摘します。

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