「企業版トロイの木馬」オバマが推進する秘密主義のTPP貿易協定は米国の法律書き換えにつながる
2013/10/4(Fri)
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連邦政府の閉鎖が続く中、ジョン・ケリー国務長官はアジアを訪問して包括的な新貿易協定「環太平洋パートナーシップ(TPP)」の秘密協議を行っています。TPPは、それに批判的な人からはよく「ステロイド入りのNAFTA(北米自由貿易協定)」と呼ばれていますが、ベトナムからチリにまたがる約8億人が住む地域に自由貿易圏を創設するものです。これは世界貿易の3分の1を占め、世界経済の40%近くにあたる地域をカバーすることになります。協定の条文はほとんどが秘密協議で交渉されており、今年6月までは米国議会にも秘密にされていました。その一方で600人以上の企業顧問が情報を入手できていたと言われており、そこにはハリバートンやモンサントの職員も含まれます。「これはだいたい貿易の話じゃありません」と言うのはパブリック・シチズンのグローバル・トレード・ウォッチ責任者ロリ・ウォラックです。「これは企業版のトロイの木馬なのです。全部で29章の協定ですが、貿易に関するものはそのうちわずか5章。他の24章は各国の民主政府に手かせをはめて、食料の安全性や環境基準や金融規制やエネルギー及び気候政策に制限を加えるか、または企業の新たな権力を作り出してしまうか、あるいはその両方なのです」