世界の食糧高騰と供給不足に「深く憂慮している」と言ったその舌も乾かぬうちに、北海道サミットに集った各国首脳は18品目の豪華コース料理を楽しみました。世銀の推定では食糧高騰により新たに1億人強が貧困ラインを割る可能性があり、30カ国以上で暴動が起きたなかでの美食の饗宴には、世界の現実がグロテスクに示されています。『小さな惑星の緑の食卓』の著者フランシス・ムア・ラッペとともに世界の食糧危機、食糧の自立、真の民主制度とは何かを考えましょう。(11分)
2008年7月に開かれた、世界貿易機関(WTO)の拡大交渉(通称ドーハラウンド)は一週間で決裂しました。交渉が失敗に終わった理由の一つは、農業分野での調整が成立しなかったためです。インドや中国など途上国側が、自国の農業を安価な輸入品から保護する権利を主張したことが挙げられます。米国やヨーロッパから輸出される農産物は国内で手厚い保護を受けており、ダンピングのかたちで国際市場にでてくるからです。しかし米国は、あいかわらず市場解放要求の一点張りで、少しも譲歩しませんでした。決裂はここ3年間で3度目です。これはついに途上国政府の決然とした行動によって、WTO体制の行き詰まりが明らかになったことを示すのでしょうか、それとも?(17分)
「世界的な食糧危機の今、買いだめするなら米よりモンサント株がお勧め」――何百万人もが飢餓に追い込まれる中、一部のアグリ企業は過去最高益をあげています。その筆頭がモンサント社、世界最大の種苗企業です。同社の遺伝子組み換え作物は、米国の食品チェーンにあふれており、次は乳製品を狙っています。あれ、モンサントって化学企業じゃなかったの? いえいえ、いつのまにかアグリビジネスに変身しているのです。しかし他人の迷惑をかえりみない強引で攻撃的な企業体質は、ダイオキシンやPCBを作り出した頃から変わっていないようです。バニティー・フェア誌の寄稿編集者ジェームズ・スティールに話を聞きます。(18分)
「今日たいていのアメリカ人が口にしているものは食物ではなく、食物に似た工業製品だ」──マイケル・ポーラン教授によれば、米国の食生活を危機に陥れている元凶は2つです。第一に、自然の食品に付加価値をつけるため、高度な加工処理を行い、食物を工業製品化する食品産業です。思いのままに栄養素を強化し、いつまでも腐らない工業食品がスーパーの棚にあふれ、自然食品は手に入りにくい、ぜいたく品となります。第二に、食品そのものよりも、そこに含まれる栄養素が大事だと唱える「栄養学主義」です。これはイデオロギーであって科学ではないとポーランは批判します。科学的根拠の乏しい「善玉」「悪玉」のきめつけや、「栄養素」万能の食品評価などによって、食生活を歪ませていると。このような怪しげな科学に基づいて私達の食生活が変えられるのは恐ろしいことです。どうしてこんなことになってしまったのでしょう?ポーラン教授は、具体的な事例によってわかり易く説明してくれます。(36分)
4月頃から食糧価格の急騰で、ハイチやエジプトを始め東南アジアやアフリカの各地で食糧暴動が起こっています。世界銀行の推定では世界の食糧価格は過去3年で8割も上昇し、少なくとも33カ国で社会不安が拡大しています。国連世界食料計画は5億ドルの追加支援が必要と訴え、6月には国連主催の「食糧サミット」が開かれました。でも途上国の食糧暴動をテレビで眺める私達の食卓には、栄養豊富な加工食品が並んでいます。時間も手間もいらず、体によい食品のはずなのに、米国では病的な肥満が急増しています。しかも貧しい人々ほど肥満に陥りやすい。10億人が飢える一方で、8億人が肥満という現代世界の矛盾はどこから来るのでしょうか。少数の巨大食品企業が生産と流通を支配し、生産者価格を最低に押さえ込む一方で、大都市の貧しい消費者には高カロリーの工業食品を大量に消費させる現在の世界的な食品供給システムの矛盾に、ラジ・パテルが切り込みます。(14分)
4月頃から食糧価格の急騰で、ハイチやエジプトを始め東南アジアやアフリカの各地で食糧暴動が起こっています。世界銀行の推定では世界の食糧価格は過去3年で8割も上昇し、少なくとも33カ国で社会不安が拡大しています。国連世界食料計画は5億ドルの追加支援が必要と訴え、6月には国連主催の「食糧サミット」が開かれました。でも途上国の食糧暴動をテレビで眺める私達の食卓には、栄養豊富な加工食品が並んでいます。時間も手間もいらず、体によい食品のはずなのに、米国では病的な肥満が急増しています。しかも貧しい人々ほど肥満に陥りやすい。10億人が飢える一方で、8億人が肥満という現代世界の矛盾はどこから来るのでしょうか。少数の巨大食品企業が生産と流通を支配し、生産者価格を最低に押さえ込む一方で、大都市の貧しい消費者には高カロリーの工業食品を大量に消費させる現在の世界的な食品供給システムの矛盾に、ラジ・パテルが切り込みます。(11分)
7年前、カカオ農園での過酷な児童労働廃止への努力を誓ったカカオ/チョコレート業界。けれども世界のカカオの4割を産する最大の生産国コートジボワールでは子供たちがいまも農園で働き、危険な作業に従事しています。児童労働を余儀なくする大きな原因は、貧困。圧倒的なパワーを裏づけに農民を支配し、カカオの積出港で買取り価格を抑えに抑えて巨利を得る穀物メジャー。この構造的問題を解決する取り組みが不足しています。前半のゲストはコートジボワールで現地取材しフォーチュン誌に「チョコレートのほろ苦い経済」という記事を寄稿したジャーナリストのクリスチャン・パレンティと「世界カカオ基金」のウィリアム・ガイトン理事長。後半では、フェアトレード・チョコレート「スィオ・チョコレート」の創立者兼CEOのジョー・ウィニーが、第三世界での体験をもとにチョコレート・ビジネスのもうひとつのあり方を話します。(24分)
 エチオピア産のスペシャルティコーヒー豆は、アメリカでは1ポンド当たり25ドルで小売りされていますが、その同じ豆をエチオピアの貧しい農家は1ポンド当たり1ドル以下で売っています。エチオピア政府は、流通市場を管理し価格を引き上げるため、地元のコーヒー豆をアメリカでも商標登録しようとしていましたが、米コーヒーチェーン大手スターバックスがそれに反対。しかし、長い「紛争」の末、ついにスターバックスも商標権使用料支払い契約を締結することに合意しました。商標登録によるエチオピア農家の増収は、年間8800万ドルにのぼると推定されています。 (13分)