テロとの戦争

ソマリア沖では長い間、国際社会が話題にしないもう一つの海賊行為が横行していたとケニア在住のソマリア人アナリスト、モハメド・アブシール・ワルドは言います。ソマリアで内戦と無政府状態がつづいているのをよいことに、ヨーロッパやアラブ諸国をはじめ世界中の漁船がソマリアの海で不法操業し、乱獲によって水産資源を枯らしてしまいました。おまけに、これらの漁船は置き土産として自国の産業廃棄物をソマリア領海に不法投棄して行きました。(16分)
北米自由貿易協定(NAFTA)発効から15年、当初約束された経済繁栄とは裏腹にメキシコは米国に安価な労働力を供給する移民工場になっています。それに追い討ちをかけるように、ここへきてNAFTA軍事化の動きが顕在化してきました。ブッシュ政権が2008年6月に打ち出した麻薬撲滅政策「プラン・メキシコ」は、社会経済対策をおろそかにして軍事方面ばかりに力を入れています。初年度予算4億ドルの大半は、米政府と契約する傭兵会社とメキシコ軍の手にわたります。国境管理の強化は、麻薬と移民の流入を防ぎたい米国、武器流入を防ぎたいメキシコ側の共通の要求です。しかし、その裏には別の思惑もあるようです。(26分)
イエメン出身の移民で極貧から身を起し、サウジアラビア有数の富豪となった父モハメッドの、17番目の息子として生れたオサマ・ビンラディンは、生家と母の再婚先の二つの過程を往復して育ち、中学時代にはイスラム主義革命組織であるムスリム同胞団に加入。その後1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻すると難民支援と対ソ抵抗運動に志願し、聖戦指導者として頭角を表しますが、第1次湾岸戦争で米軍がサウジアラビアに進駐すると、聖地の守護者であるべき王家の腐敗を批判して国外追放同然となり、スーダンを経てアフガニスタンに舞い戻ります。ケニアとタンザニアの米国大使館爆破や米駆逐艦コール襲撃にも関わったとされますが、2001年の9.11事件で一躍世界中の注目を浴びました。(59分)
パフォーマンスアーティストのローリー・アンダーソンとの会話をお送りします。70年代の前衛アートシーンに登場した彼女は独特な実験的スタイルで一躍有名人になりました。その後も優れたアーティストたちとの協力で数多くの作品をつくってきました。最新作はニューヨークのリンカーンセンターでお披露目された「ホームランド」です。最新作の意図について、アーティストとしての自分の役割について、またイラク侵攻後に「自分の国をなくした」と思う理由などを語りました。(8分)
2008年9月15日パキスタンの国境警備軍が、アフガニスタンからパキスタン領内に侵入しようとした米軍を撃退したと報じられています。これ以前にも米軍の越境攻撃でパキスタンの村人が殺害されており、数週間にわたり空爆も続いており、パキスタン国内には米軍への敵意が高まっていました。パキスタンと米国の危険をはらんだ関係を新たな視点で描いた新作『対決:米国覇権の経由地パキスタン』を発表したタリク・アリに話を聞きます。(18分)
2008年6月末パキスタン軍は、タリバンが潜伏しているといわれる北西部アフガニスタン国境沿いの部族地域カイバル管区に侵攻し、掃討作戦を開始しました。政府軍が部族地域の武装勢力に対して大規模な攻撃をするのは初めてのことです。これはまた、3月に発足したザルダリ新政権の初めての軍事作戦でした。この攻撃は、米国のバウチャー国務次官補がパキスタンを訪問中のできごとでした。バウチャー次官補はパキスタン政府に掃討作戦を命じるために訪問したのだと、最近パキスタンを訪問したジャーナリストのデビッド・バーサミアンは言います。(16分)
漁船を改造した2隻の船が今日キプロスを出ました。目的地はガザです。イスラエルの封鎖に抗議し、ガザ解放を世界に訴えるため、17カ国から集まった40人以上の人々が乗り込んでいます。イスラエルは、ガザからは撤退したといいながら、国際赤十字や人道団体援助の立ち入りさえ許さない非人道的な封鎖をつづけているからです。イスラエルは彼等を海賊とよび、ガザに近づけば実力で阻止すると宣言しました。リバティ号とフリーガザ号の船上から3人の活動家の話を聞きました。(11分)
ムバラク政権の長期支配が続くエジプトで、事実上の最大野党はムスリム兄弟団ですが、同国は特定の階級や宗教に基づく政治集団を禁じているため、非合法集団とされています。ことし4月15日にムスリム同胞団のメンバー25人が、軍事法廷による実刑判決で収監されました。弾圧強化の背景には、息子に政権を譲るため政敵を極力排除したいムバラク大統領の意図が働いているようです。裏を返せば、長期の独裁政治に不満が鬱積して爆発寸前になっているのです。ここ数年反ムバラクのキファーヤ(もうたくさん)運動が高まってきました。ここへきて食糧危機がそれに重なり、社会不安が高まっています。カリフォルニア大学で客員教授をつとめるエジプト人ジャーナリストのホッサム・ハマラーウィに、ブログを中心とするエジプトの新しい民主化の動きについて話を聞きます。(12分)
カーライル・グループは未上場企業投資を専門に行う世界でも最大級の投資ファンドです。 一方、最もなぞに満ちたファンドでもあり、数々の政治家との深い関係から「元大統領のクラブ」と呼ばれていました。近年同社の取引に厳しい目が向けられてから、軍事契約数や問題の多い政治家との関係を減らす傾向にありました。しかしそのコースは変更されたと見え、今年5月には諜報コンサルティング企業であるブーズ・アレン・ハミルトン(以下ブーズ・アレン社)がその政府関連部門をカーライル・グループに売却すると発表しました(その買収は事実上7月に完了しました)。ブーズ・アレン社は民間の軍事諜報企業の大手であり、現在米国で進行中の「政府の諜報活動の民営化」の一端を担う企業で、米国の諜報活動において戦略的に重要な役割を負っています。(30分)
2003年に作成された覚書が情報開示されたことから、ブッシュ政権による囚人の処遇や尋問の方法にメスが入りつつあります。機密扱いにされていたこの覚書には、司法省が国防総省に対し、大統領権限は囚人への虐待や拷問を禁じた数々の法律よりも優先すると、指示したことが示されています。(20分)