ブログ:誰のための警察?:報道の自由を貫いたデモクラシー・ナウ! エイミー・グッドマン(2011.10.05)

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誰のための警察?:報道の自由を貫いたデモクラシー・ナウ! エイミー・グッドマン(2011.10.05)

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「ウォール街を占拠せよ」抗議運動は日に日に勢いを増し、全米各都市に広がっている。抗議運動に参加する人たちの合い言葉は「私たちは99%、1%の国民の強欲と腐敗をもう許さない」。

「ウォール街を占拠せよ」抗議運動は日に日に勢いを増し、全米各都市に広がっている。抗議運動に参加する人たちの合い言葉は「私たちは99%、1%の国民の強欲と腐敗をもう許さない」。

ニューヨーク市警の対応は乱暴だ。10月1日、警察は抗議する人々を700人以上も一網打尽にした。米国史上最大の大量逮捕だ。その前の週には、なんの違反もしていない抗議者たちの顔面に催涙スプレーを浴びせた。警告は無く、理由も無かった。

私と同僚が今週、ミネアポリス警察とセントポール警察ならびに米国シークレットサービスを相手取った訴訟で画期的な和解に達した際、ウォール街占拠の拠点「リバティ広場」に赴いて、この司法上の勝利を発表したのは、そのためだ。

2008年の「労働者の日」に、デモクラシー・ナウ!の報道班と私はセントポールで行われた共和党全国大会の初日を取材していた。会場の外では数千人が抗議運動を行っていた。私は会場の中で、その週の話題をさらっていたアラスカ州の代表たちにインタビューしていた。数ブロック離れたところでは、同僚のシャリフ・アブドゥル・クドゥースとニコール・サラザ-ルが、デモ行進を終えて解散しようとする人々への警察の攻撃を取材していた。

機動隊はデモ参加者を取り囲んで駐車場の中へと追い込み、正式に記者登録をしたジャーナリストも道連れになった。警察はニコールに襲いかかり「伏せろ!」とどなった。ニコールは「報道機関です!」と叫びながら、記者証を片手にかざし、もう片方の手で自分が暴力的に逮捕されるところを録画し続けた。警察は悲鳴をあげるニコールを俯せにし、膝かブーツを履いた足で背中を押さえ、脚をつかんで引きずったので顔から血が出た。警察がまず最初にしたことは、カメラから電池を抜くことだった。記録されてはまずかったのだ。シャリフは機動隊を鎮めようとしたが、機動隊は彼を壁に押しつけ、胸を2度蹴り、押し倒して手錠をかけた。
携帯電話で知らせを受け、私は会場から逮捕現場に駆けつけた。機動隊があたりを囲んでいた。私は記者証を首からかけたまま駆け寄り、指揮官に、同僚のジャーナリストを釈放するよう求めたが、とたんに警察の包囲線の中に引っぱり込まれ、腕を背後にねじ曲げられ、手錠をかけられた。シャリフの隣につれていかれたので、私たちは取材許可証をもつジャーナリストだと釈放を要求した。するとシークレットサービスが来て、私たちが首に下げていた記者証をもぎ取ってしまった。

私たちは訴訟を起こした。セントポール警察とミネアポリス警察、シークレットサービスは先週、私たちとの和解に合意した。賠償金10万ドルの支払いに加え、セントポール警察は、職務執行において配慮すべき報道機関と一般市民の憲法修正第一条で認められた権利について──大衆デモを取材するメディアへの警察の対応も含まれる──警官を教育する研修プログラムを実施することに合意した。この研修プログラムがミネアポリス警察でもミネソタ州全域でも実施されるよう、セントポール警察は努力することになった。

次の大統領選挙に向けた二大政党の全国党大会も視野に入り、「ウォール街を占拠せよ」などの抗議運動の取材も増える中で、2008年の共和党全国大会での多数の逮捕にからむ訴訟の中で最大のものとなったこの和解は、全米各地の警察に対し、ジャーナリストの逮捕や恫喝、また非合法な逮捕一般をやめよという警告になるだろう。出来事を記録にとどめることを仕事とする報道関係者が、職務をまっとうしたために犯罪歴をつけられるようなことがあってはならない。

だが、警察は本当に報いを受けたのだろうか?2008年の全国党大会の前に、共和党も民主党も、大会開催地の自治体が訴訟を起こされた場合に備え、損害額を補償する保険契約を結んでいた。

全国法律家ギルドのミネソタ支部長ブルース・ネスターは、こう語る。「セントポール市は共和党の主催委員会と話をつけ、特別な補償契約を結びました。党大会に起因する訴訟で賠償責任が生じた場合は、最初の1000万ドルまでは主催委員会がかぶることになったんです。…つまりこれは、『我々(市)は法律違反をしてもよい。賠償金を支払う必要はないのだから』という意味です」。

現在の状況に話を戻そう。救済されたウォール街の巨大銀行JPモルガン・チェースは、460万ドルをニューヨーク市警察財団に寄付した。しかもこの寄付金は税控除される。抗議運動の人たちは問う、「警察は誰に金もらって、誰を保護するんだ?国民か、それとも企業か。99%、それとも1%?」。

「ウォール街を占拠」の法務部会のマリナ・シトリンの話では、抗議運動は最初、チェース・プラザに陣取るつもりだったが、ニューヨーク市警察が先回りして、封鎖してしまった。そのためズコッティ広場に移動し、そこをリバティ広場と改名した。
JPモルガン・チェースのウェブサイトに載っている日付のない広報資料によれば、460万ドルの寄付を受けた「ニューヨーク市警のレイモンド・ケリー警察本部長は、 ジェイミー・ダイモン会長に『深い感謝』を表明するメッセージを送った」。寄付の規模、そして抗議者に対する警察の嫌がらせと暴力からみて、我々はケリーが感謝の意を表するやり方に疑問をつきつけざるを得ない。(翻訳:大竹秀子)

エイミー・グッドマン(協力:デニス・モイニハン)

© 2011 Amy Goodman
Distributed by King Features Syndicate

参考動画

党大会の因習を打破せよ 1.華麗なスピーチの陰で

党大会の因習を打破せよ 2.エイミーたちが逮捕!