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2019年6月3日(月)

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  • 2020年の国勢調査に市民権条項を追加しようとするトランプ政権の計画に、ゲリマンダリング(不正な選挙区分け)を専門としていた今は亡き共和党の上級ストラテジストが密かに関わっていたことが最近発見された文書から明らかになりました。ニューヨーク・タイムズ紙は先週掲載した記事の中で、この上級ストラテジスト、トーマス・ホフェラーを「ゲリマンダリングのミケランジェロ」と呼びました。ホフェラーは昨年8月に亡くなったとき、彼のメモや文書で埋まったコンピューターのハードディスクを残しました。別居していた娘が、(市民権条項の追加は)「共和党とヒスパニック以外の白人に有利となる。民主党にとって不利に働くのは明らかだ」と記した2015年の分析を発見しました。国勢調査の担当者は、市民権条項が追加されれば650万人が調査に回答しないだろうと推計しています。これによって生じる過小評価は、議会の選挙区割から連邦予算の配分などあらゆるものに影響します。マザー・ジョーンズ誌の上級記者であるアリ・バーマンから続報を聞きます。彼の最新記事は、“Architect of GOP Gerrymandering Was Behind Trump’s Census Citizenship Question”(「トランプ大統領が企てる市民権条項追加の裏に共和党のゲリマンダリング戦略家がいた」)です。

  • 米国では、ルイジアナ、ミシシッピ、ケンタッキー、オハイオ、ジョージア各州が妊娠6週以降の人工中絶禁止に動き、ミズーリ州議会は妊娠8週以降の中絶禁止を承認、アラバマ州は人工中絶をほぼ全面的に禁止する法案を採択しました。全米各地での広範な中絶の権利に対する攻撃は投票権の抑圧とどのような直接的つながりがあるのかについて、アリ・バーマン記者に聞きます。バーマン記者は最近、マザー・ジョーンズ誌の記事で「これらの州には共通点があります。投票の抑圧やゲリマンダリングによって民主的なプロセスを歪めようとする組織的な努力です。こうした手法が、ほぼ全面的な中絶禁止や極端な右翼的政策を容易にしました」と書きました。

  • クラレンス・トーマス最高裁判事は先週、中絶する権利は20世紀の優生運動にさかのぼることができると主張して、激しい批判を浴びています。トーマス判事のこの主張は、インディアナ州法の見直し法案で胎児の性別、人種、障害を根拠にした中絶を禁止することになる修正を最高裁が却下したことを受けて提出された20ページに及ぶ意見書の中で示されました。この最高裁の判断により、選択的中絶を禁じることはできないとした下級裁判所の判断が維持されました。しかし、トーマス判事は法案への支持を表明する意見書に次のように述べました。「米国家族計画連盟(Planned Parenthood)が唱導するように、胎児の性別や人種、障害だけを根拠にした妊娠中絶を憲法上の権利として法制化することは、20世紀の優生学運動の見方を憲法に取り込むことになるであろう」。トーマス判事は自身の見解の正しさを証明するために、アダム・コーエン著の Imbeciles: The Supreme Court, American Eugenics, and the Sterilization of Carrie Buck(『低能者:最高裁、アメリカ優生学そしてキャリー・バックの強制不妊手術』)を引用しています。著者のアダム・コーエンは、このクラレンス・トーマス判事の主張に反駁しています。アダム・コーエン記者はアトランティック誌の記事「クラレンス・トーマスは私の研究を何も知らない」の中で、「優生思想の過去を学び、同じ過ちを繰り返さない必要があるという点ではトーマス判事は全く正しい。しかし妊娠について独立した決定を下す女性を現代の優生主義とする点は全く誤っている」。コーエン記者と話します。

  • トランプ大統領は戦争犯罪で有罪判決を受けた軍人の赦免を検討しています。米国海軍特殊部隊の特殊作戦責任者エドワード・ギャラガーの赦免もその中にあると言われています。彼に対する容疑は、非武装民間人の射殺、負傷した10代の戦闘員捕虜をナイフで刺殺したこと、この少年の死体の上で再入隊の儀式を挙行したことです。サンディエゴの軍事法廷は5月30日、殺人に関する軍事裁判における訴追手続き上の誤りを理由に、ギャラガーの釈放を命じました。検察官を交代させるのか、裁判そのものを取りやめるのかの決定はまだ下されていません。ギャラガーの弁護人の一人はトランプ陣営の代理人でもあります。ギャラガーの雄弁な支持者である共和党下院議員ダンカン・ハンターは最近になって、米軍の2004年ファルージャ作戦で数百人の民間人を殺害したことをポッドキャストで認めました。トランプ大統領は軍事請負企業ブラック・ウォーターの傭兵ニコラス・スラッテンのための赦免も検討しています。彼は、2007年イラクのバグダッドで起きたニソール広場虐殺事件で、既に2度、第一級殺人罪の有罪判決を受けています。ウェイトマン・ウェイド・ベオーンと話します。彼はイラク戦争の帰還兵であり、ホロコーストや虐殺の歴史研究者でもあります。2019年5月19日付ワシントン・ポスト紙の彼の意見コラムの見出しは、”I led a platoon in Iraq. Trump is wrong to pardon war criminals”(「私はイラク戦争で小隊を率いた。トランプが戦争犯罪人を赦免するのは間違っている」)です。

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