デモクラシー・ナウは12月に、パリから北へ1時間半のカレー市にあるフランス最大の難民キャンプを訪れました。6000~7000人が一時しのぎのテントでキャンプ生活をしています。彼らの最終目的地はイギリスで、毎晩のように、キャンプの住人が英仏海峡トンネルに向かって出発し、ハイウェイに沿って歩きながら、通過するトラックや貨物自動車に飛び乗って、イギリスに入国しようとします。キャンプに足止めされている難民のひとり、21歳のシリア人マジドに話を聞きます。マジドは最近、スーダン人の男性ジョセフがハイウェイで車に轢かれて亡くなったようすを説明します。キャンプの住民たちは、ジョセフの死亡事故を起こした車の運転手を警察が止めなかったことに抗議し、「私たちは人間だ、犬ではない」、「戦争を生き延びた人間が平和に生きるために何が必要だというのか?」などと書いたプラカードを掲げていました。現在世界で起きている難民の大量発生は、第二次世界大戦以降で最大の規模です。12月7日、国際連合は現状の資金拠出の水準で は「必要最低限の保護と救命援助すら提供することができない」として、200億ドルの追加支援を呼びかけました。国連関係者は、シリア、アフガニスタン、 イラク、イエメン、南スーダンにおける戦争が、世界中で6000万人近い人々が避難を強いられている主因のひとつだと述べました。避難民を最も多く出して いるのはシリアで、現在も進行中の紛争により400万もの人々が国外に逃れ難民となっています。
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