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2015年12月10日(木)

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  • 本日12月10日は世界人権デーです。これは国連総会が1948年に「世界人権宣言」を採択したことを記念して設定されました。パリで開催されている国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)会場からお送りする本日の放送では、人権問題としての気候変動を取り上げます。交渉担当者らは「パリ合意」の中でどのように人権問題に触れるかを議論してきました。米国、ノルウェイ、そしてサウジアラビアは、合意文書から重要な人権問題への言及を削除させようとしていると批判されています。元アイルランド大統領、そして元国連人権高等弁務官のメアリー・ロビンソンに話を聞きます。ロビンソンは2010年、「メアリー・ロビンソン気候正義基金」(Mary Robinson Foundation–Climate Justice)を設立しました。「私にとって(気候変動は)世界最重要の人権問題なのです」とロビンソンは言います。

  • 国連気候変動枠組条約の草案には、今のところジェンダー平等について言及されていません。またCOP21では指導層に女性がいないことも非難されています。元アイルランド大統領のメアリー・ロビンソンは、気候変動が各ジェンダーに与える影響についても取り上げるべきだと主張します。「貧困層の暮らしが損なわれた時、その尻拭いは誰がすると思いますか? 家族のための食べ物を手に入れるのは誰でしょう? 干ばつで薪が調達できないため、より遠方まで探しに行くのは誰だと思いますか?」とロビンソンは問います。「発展途上国で農業に従事する人々の大半は女性なのです」。 ロビンソンは現在「メアリー・ロビンソン気候正義基金」(Mary Robinson Foundation–Climate Justice)の理事長ですが、1990年から97年までアイルランド大統領を、そして97年から2002年まで国連人権高等弁務官を歴任しました。

  • 戦火の国々を逃れた数十万人が現在、ヨーロッパの難民キャンプで暮らす問題について、元アイルランド大統領メアリー・ロビンソンに話を聞きます。ロビンソンは、難民が避難する途上で、そして到着後の収容先となる難民キャンプで直面する状態を非難します。より良い待遇を受ける権利は国連により保障されているにも関わらず無視されてきた、とロビンソンは語ります。

  • COP21では、200カ国近くの代表が最終日の12月11日までに新たな枠組みの最終合意をまとめるために最後の交渉を重ねています。12月9日に公開された草案文書では、未解決の相違点が100点近く残っており、それには気候変動の被害に直面する脆弱な国々を支援するための、発展途上国の中でも比較的裕福な新興諸国の役割についての問題も含まれています。同会議に参加する市民団体は、9日に発表された草案に対し怒りの抗議を行い、壊滅的な地球温暖化を阻止するには不充分だと主張しています。数百人が座り込みやデモ行進を行い、COP21会議内で最大の抗議活動となりました。「これは全く受け入れ難いものです」と「フレンド・オブ・ジ・アース・インターナショナル」のディプティ・バトナガーは草案について語ります。「これでは地球が燃えてしまう。太平洋にある諸島は海に沈んでしまいます」

  • パリで行われる国連気候変動会議では、およぼ200カ国の代表が11日までに最終合意をまとめるために最後の交渉を重ねています。現在の草案には、未解決の相違点が100点近く残っています。論議の的となっている問題のひとつが、気候変動の被害に対して脆弱な国々を支援するための、発展途上国の中でも比較的裕福な新興諸国の役割についてです。「あまりこういうことは言いたくありませんが、発展途上国が現在直面しているような状態が、ロンドン、パリ、ワシントン、ブリュッセルで起こっていたとしたら、2050年までに100パーセント再生可能エネルギーを達成するというゴールへの合意もこれほどまで困難ではなかっただろうという気がします」とグリーンピース・インターナショナルのクミ・ナイドゥー事務局長は言います。ナイドゥー事務局長が言うところの「気候アパルトヘイト」について話を聞きます。

  • 12月9日、ジョン・ケリー米国務長官は、米国の発展途上国への気候変動対応用への予算を現在の2倍となる年間約8億000万ドルに引き上げることを発表しました。「フレンド・オブ・ジ・アース・インターナショナル」のアサド・レーマン事務局長を含む批判派は、米国の目的は富裕国の連携を維持して法的ルールを書き変えることだと主張します。「気候変動問題におけるオバマ大統領の功績を多くの人が口にします」とレーマン事務局長は言います。「残念ながらその功績というのは、貧しき者に毒の聖杯を授け、気候変動の影響のツケを払わせるというものなのです。私から見れば現在の米国は、2009年のコペンハーゲン会議(COP15)時代と変わりありません」

  • 「『自国が崩壊するかもしれない交渉をやるつもりなのか?』パリで開催されているCOP21でのサウジアラビアの役割を考えるときに、まず浮かぶのはこの疑問でしょう」と、ニューズウィーク誌に掲載された最新記事で、ジャーナリストのアントニア・ユハスは問いかけます。「簡単に言うとサウジアラビアがしているのは、崩壊を止めるための交渉には参加せず、代わりにその交渉と目標をできるだけ弱体化させ妨害するよう努力するという、自殺的行為なのです」

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