チェルシー・マニング、エドワード・スノーデン、トーマス・ドレイク、ジョン・キリアコウをはじめとする何人かの内部告発者の起訴からもわかる通り、情報漏えいを罰することに関していえばオバマ政権は過去に例のない攻撃的な態度を取っています。しかし、誰が処罰され、誰が罰を免れるかをみると、そこには二重基準があるのではないでしょうか? 元陸軍大将で元CIA長官のデイビッド・ペトレアスに対する寛大な司法取引を見ると、こうした疑問がわいてきます。ペトレアスは、他の内部告発者とは違い、政府の不正行為と思われるものを暴くために情報を流したのではありません。そうではなく、ペトレアスは不倫相手かつ彼の伝記の著者であるポーラ・ブロードウェルに機密文書を渡していました。ペトレアスはブロードウェルに彼のCIAのEメールアカウントと、アフガニスタンでの秘密工作員の名前、戦争の戦略、米政府の会議の引用など慎重にとり扱うべき資料にアクセスすることを許していました。ペトレアスは3月上旬に、機密情報の無許可除去および保有という1件の訴因を認め、司法取引に合意しました。検察側は収監の代わりに2年間の保護観察処分と罰金を求める予定です。彼は「イスラム国」(ISIS)に対する戦争に関して米政府に助言するインサイダーの地位に留まります。「政府責任プロジェクト」(Government Accountability Project)の国家安全と人権部長ジェスリン・ラダックから話を聞きます。元米司法省の倫理顧問のラダックは、スパイ活動法で有罪になった3人の内部告発者、エドワード・スノーデン、トーマス・ドレイク、ジョン・キリアコウの弁護士です。彼女は最近フォーリン・ポリシー誌に"Petraeus, Snowden, and the Department of Two-Tiered Justice"(「ペトレイアス、スノーデンと米国の二重司法省」)という記事を執筆しました。
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