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2015年1月23日(金)

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  • イエメンでは22日、アブド・ラッボ・マンスール・ハディ大統領、首相と全閣僚が辞任し、政権が崩壊しました。この一斉辞任は、シーア派の反政府組織フーシが首都サヌアの大統領公邸を制圧した数時間後に起きました。ハディ大統領は、フーシが政治権限拡大の見返りに重要施設から撤退するとした停戦合意を破ったことから、政権の放棄を余儀なくされたと述べました。フーシの背後には、2011年の民衆蜂起で退陣するまで長年国家指導者の地位にあったアリ・アブドッラー・サーレハ前大統領がいるものとみられています。オバマ政権は、イエメン政府を対テロ戦の協力関係が「成功」した手本として賞揚してきましたが、22日にはイエメンの米国大使館からさらに多くの駐在員を引き揚げると発表しました。専門家の中には、イエメン情勢が内戦に発展し、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)の勢力拡大につながるのではないかと懸念する声もあります。一方、オックスファムは、イエメンでは住民の半数以上が援助を必要としており、このまま政情不安が続けば非常に大規模な人道危機が発生する恐れがあると警告しています。ロンドンのタイムズ紙のイエメン通信員として4年間サヌアに駐在したアイオナ・クレイグ記者に話を聞きます。

  • サウジアラビアのアブドラ国王が90歳で死去しました。アブドラ・ビン・アブドルアジスは、世界の石油確認埋蔵量の5分の1を握り、世界最大の権力者の一人であるとともに、中東における米国の重要な協力者でした。オバマ大統領は「中東や周辺地域の安定と安全保障に貢献した」としてアブドラを称える声明を発表しました。しかし、多くの政治分析家は、シリアの反体制蜂起をイランとの代理戦争に転換させたとしてアブドラを批判しています。2010年にウィキリークスが公開した米国外交公電は、サウジアラビアがイスラム主義武装集団への最大の資金供給源であると特定しています。アブドラはまた、隣国バーレーンで民主化を求める民衆蜂起が起きると戦車部隊を送って鎮圧に協力しました。最近では、サウジアラビアがブロガー、ライーフ・バダウィに下した処分も批判を受けています。バダウィはイスラムを侮辱したなどの罪状で禁錮10年とむち打ち1000回の判決を受けました。むち打ちは1週間に50回ずつ、執行されます。新しい国王には、アブドラの異母弟のサルマン皇太子が即位しました。ラトガーズ大学中東研究所長でDesert Kingdom: How Oil and Water Forged Modern Saudi Arabia (『砂漠の王国:水と油でこね上げたサウジアラビアの近代』)の著者、トビー・ジョーンズに話を聞きます。

    画像クレジット:在米サウジアラビア大使館

  • 米国司法省は、ミズーリ州ファーガソンで武器を持たない十代のアフリカ系アメリカ人マイケル・ブラウンを射殺した警官ダレン・ウィルソンを、公民権法違反の罪状で起訴することは見送るもようです。21日のニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、最終決定権はエリック・ホルダー司法長官が握っていますが、ほぼ間違いなく、不起訴を勧告している調査官たちに同調するものとみられています。司法省では、ファーガソン市警が人種的偏見を基にした基準で通行車の取締を行っており、過剰な暴力を行使しているという報告についてのより広範な調査を引き続き進行中です。一方、全米黒人地位向上協会法的擁護基金 (NAACP Legal Defense Fund)が提訴していた、ウィルソンに対する刑事訴追の可能性を審議するための新たな大陪審の要求は、判事に却下されました。NAACPは、ロバート・マカロック検事が、証人の偽証を見逃すと決定するなど不適切な行動を取ったことに懸念を表明してきました。このような動きに先立ち、オバマ大統領が20日の一般教書演説でファーガソンについて1度しか言及しなかったことを受け、活動家たちは自前の「黒人の一般教書演説(the State of the Black Union)」のビデオを公開しました。憲法上の権利センター(the Center for Constitutional Rights)」代表のビンセント・ウォレンに話を聞きます。

  • アノニマスに協力したとされる活動家でジャーナリストのバレット・ブラウンに禁錮5年間の判決が下されました。賠償金と罰金を合わせて90万ドル近くの支払いも命じられています。ブラウンは2014年、脅迫状の送信、サイバー攻撃の共犯、司法妨害の罪状について有罪を認め、今年1月22日に判決を言い渡されました。ブラウンは民間諜報機関や軍事請負業者の極めて隠蔽された業界を調査したために、不正に攻撃されたと支持者たちは主張しています。22日の判決後、ブラウンは皮肉たっぷりの声明を発表しました。そこには、こう書かれています。「朗報!サイバー軍産複合体への私の調査がきわめて優秀だったので、米国政府は本日、私を刑務所官民業複合体に送り込み、調査に当たらせるとの決定を下した」。ブラウンの事件をめぐってライターでシステム・アドミニストレーターのケビン・ギャラガーに話を聞きます。ギャラガーは、「バレット・ブラウンに自由を」(Free Barrett Brown)という支援ネットワークを率いる活動家でもあります。政府がブラウンについて述べていることを信じてはならない、とギャレットは言います。

  • 米国最高裁判所が、連邦職員が内部告発を行う権利を支持する画期的な判決を下しました。元国土安全保障省運輸保安庁連邦航空保安官ロバート・マクリーンによる内部告発をめぐる裁判です。マクリーンは2003年7月、MSNBCの記者に対し、米国機ハイジャック計画の可能性を警告されていたにもかかわらず、米国国土安全保障省は費用を惜しんで、特定の長距離便に航空保安官を搭乗させる措置をやめさせたと暴露しました。MSNBCの報道は激しい抗議を引き起こし、政策は急遽、撤回されました。3年後、マクリーンは情報源だったことを認めた後、解雇されました。マクリーンは解雇を不当として不服を申し立て、数年にわたる司法闘争が繰り広げられました。最高裁が今週、7対2で彼の主張を認める判決を出し、ようやく結審となりました。問題とされたのは、マクリーンの行動が、米国の内部告発者保護法で保護されるかどうかでした。同法は、違法行為や重大な失態、市民の安全を脅かすような事態であれば、職員がそれを公表することを保護しています。ロバート・マクリーン本人と、最高裁でマクリーンの弁護にあたったニール・カチャル弁護士に聞きます。カチャルは、元米国訟務長官代理でした。

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