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2011年12月9日(金)

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  • ダーバンの国連気候変動会議の協議が最終日を迎えました。ここに至っての焦点は欧州連合(EU)が提案した2015年までに取り決めるべき新たな気候条約のためのロードマップです。この条約は世界最大の温室効果ガス排出国に対して削減を義務づけるものですが、ただし発効するのは2020年以降になると見られています。8日に米国の大学生から公然と異議申し立てを受け、米国こそがダーバン会議を妨害しているのだとの非難が広がる中、その米国代表のトッド・スターンはオバマ政権がEUのロードマップを支持する旨を口にしました。しかし米国務省が後になってそのスターンのコメントを、異例のことながら米国の立場を明確にする声明を出して撤回したのです。曰く、排出量を削減する法的拘束力のある取り決めは米国はいまだ支持していない、と。エイミー・グッドマンはこの明らかな撤回に関してスターンと同じく首席交渉官であるジョナサン・パーシングに質問しましたが、彼らは回答を拒みました。

  • ダーバンの国連気候変動会議では今日、いくつもの抗議行動が行われました。世界の指導者たちが、温室化ガス排出削減のための強制力を持つ取り決めにいつまでも合意できずにいることに抗議したものです。米メイン州アトランティック・カレッジの学生アンジャリ・アパデュライは青年使節団の代表として演説しましたが、演説が終わってマイクから離れた直後、ウォール街占拠抗議運動で使われていた人間拡声器の要領で聴衆に復唱を求める「マイク・チェック」を行いました。アパデュライは演説の中で「なにごとも達成されるまでは、不可能に思えるものです。だから、ここに集まった優秀な代表団や政府の皆さんにお願いします。先進国は、いまこそ(排出の)大幅削減をするように。為すべきことを為してください」と述べました。

  • 国連気候変動会議の立ち位置を分析するために、この2週間以上にわたって米国交渉団の役割を間近で追ってきた2人のゲストに話してもらいます。ケイト・ホーマーは「フレンズ・オブ・ジ・アース」(Friends of the Earth)で政策分析を担当しています。マイケル・ドーシーはダートマス大学の環境学の准教授です。「これらの会合で、私から見ると驚くほどの展望の欠如、驚くほどの議事妨害や敗北主義が目につきました」とドーシーは言います。「数々の会合を要約すると、ある意味、米国務省の外交は引き延ばし政策だというふうに思います……ここで米国が世界に何をさせようとしているかと言うと、肝心な法的強制力を持つ京都議定書を捨てさせておいて、骨抜きになった取り決めいわば残りかすを世界に飲み込ませようとしているわけです」。

  • マーティン・コーは51各国の途上国からなるリサーチセンター「サウス・センター」の事務局長です。ダーバンの国連気候変動会議でコーをつかまえて新しいグリーン気候基金(Green Climate Fund)のことについての交渉について話をしました。この基金は気候変動と戦う発展途上国を助けるものです。また、このサミットにおける米国の役割、さらに、米国は1人当たりの温室効果ガスの排出量が並外れて多いのになぜ中国の排出量に焦点を当ててその事実を煙に巻こうとするのかに関しても話を聞いています。

  • ダーバンの国連気候変動会議に米国議会からは議員がだれも参加していません。オクラホマ選出の共和党上院議員ジェイムズ・インホフが作ったビデオ・メッセージが7日にこのサミット会場で行われた気候変動否定論者たちの記者会見で流されました。「国連の地球温暖化条約に関しては、経済のためにどんなささいな芽でも摘み取ることが我々にできる最も重要なことです」とインホフ上院議員は述べました。「このビデオはワシントンD.C.からですが、地球温暖化のことを話しているのはもう私1人しかいないと自信を持って言えます。ワシントンからの南アフリカの国連使節団へのメッセージはこうです。今週、これ以上に明らかにはなりようもないこと、それは『きみたちの話なんかだれも聞いていないよ』です」

  • 国連気候変動会議で予定された午後の各種協議が始まろうとしていたころ、世界で最も気候変動に被害を受けるいくつかの国の派遣団が国際グリーンピースの事務局長クミ・ナイドゥーや150人以上の若い気候問題活動家たちに加わって本会議場を占拠しました。続けて私たちのこの中継放送の最中にも会議センターをくまなくデモしたのです。警備員がこの抗議デモを包囲した時点で、モルジブの環境大臣モハメド・アスラムが抗議参加の人々に向けて演説を行いました。

  • 南アフリカのダーバンで開催中の国連気候変動サミットに出席しているギリシャのパパンドレウ前首相に独占取材をしました。緊縮財政による厳しい削減をギリシャに強いることになる欧州連合EUの支援策受け入れを国民投票に諮る方針を示したことで、パパンドレウは先月退陣を余儀なくされました。金融危機、銀行の役割、盛り上がるウォール街占拠運動の重要性についてパパンドレウに聞きます。「ウォール街占拠運動が言っているのはきわめて具体的なことです。格差とはつまるところ権力の格差なのだということです。金だけでなく権力の再配分をする必要がある。権力――それが現在われわれの民主主義が抱える問題なのです」とパパンドレウは言います。

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