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2011年12月7日(水)

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  • 南アフリカのダーバンから国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)に関する特別番組を1週間にわたって放送しています。会議は10日目に入りましたが、気候変動と戦うための法的な拘束力を持つ協定が16日までに合意できるかどうかも危うくなってきました。13日には国連の潘基文国連事務総長が、世界的な金融危機もあるのでそのような協定は「望むべくもない」と認めました。しかしその代わりに潘は各国指導者に京都議定書の維持を訴えました。京都議定書は歴史的に大量の汚染を作り出してきた一部の国々に温室効果ガスの排出量削減の法的義務を負わせています。

  • カナダの環境大臣ピーター・ケントが本日、国連気候変動会議で演説し自国の環境への取り組みの歴史を弁護しました。しかしカナダは原油を含んだ砂であるタールサンドの採掘継続を支援し、京都議定書からの脱退をちらつかせています。ケントが演説を開始した直後に、カナダ青年代表団の6人のメンバーが立ち上がって大臣に背を向けるパフォーマンスに出ました。彼らはその場から退出させられ、気候変動会議への参加資格証を剥奪されました。「今日、私たちの6人がカナダ政府に向けて立ち上がって背を向けました。カナダ政府が我々に背を向けたのと同じ行為です」と活動家カレン・ルーニーは言います。「カナダ政府に求めます。今からでもいい。国民の利益を、汚染者たちの利益より上に置きなさい」。

  • 国連気候変動会議でも最も情熱的な演説の1つが今日、太平洋の環礁国家であるツバルの外交・貿易・観光・環境・労働担当大臣アピサイ・イエレミアによって行われました。彼の国もまた地球温暖化による海水面上昇で脅威にさらされている多くの島嶼国家の1つです。「国際コミュニティーが今すぐ決然たる行為に着手すること、気候変動に今すぐ取り組むことが死活問題なのです。明日ではダメ、2015年ではダメ、もちろん2020年ではぜんぜんダメなのです」とイエレミアは言います。「緊急性というのがこの会議のテーマなのです。待っている時間はない。後戻りのできない臨界点まであと数センチしかないところに我々はいるのです」。

  • 国連気候変動会議(COP)が先週ダーバンで開幕した際に、後発開発途上国グループと小島嶼国家同盟とが世界中の国を網羅する気候協定が1年以内に合意に至らねばならないとする提案を提出しました。この草案はヨーロッパ連合の支持を受けましたが、米国を含む他の先進国や、インドや中国、ブラジルといった巨大開発途上国からの支持は得られませんでした。後発開発途上国ブロック(LDCs)は48カ国で構成され、その中にはエチオピアやマリといった慢性的な干ばつ国、バングラデシュやタンザニアなど海岸線の浸食に苛まれている国、地球温暖化による氷河融解に悩むヒマラヤ山脈国家のブータンやネパールも入っています。小島嶼国家同盟(AOSIS)は39カ国・地域から成り、多くの太平洋、カリブ海の島々を含んでいて、島の中には低地で海面上昇に甚大な被害を受けるところも少なくないのです。小島嶼国家同盟議長のデシマ・ウィリアムズと、後発開発途上国グループ議長のパ・オスマン・ジャージュに話を聞きます。「今回のCOPの核心は、2007年に合意された協定がまだ遂行されていないということです」とウィリアムズは言います。「自分たちが過去に為したことに誠実に向き合うのであれば、今回ここで結論を出さねばならない最重要交渉は、京都議定書の延長です。過去の主要な温室効果ガス排出国が守らねばならない排出量削減レベルと規則がすべて含まれいているのですから」。

  • 世界屈指の気候科学専門家ラジェンドラ・パチャウリが、ダーバンの国連気候変動会議の交渉者たちは科学に十分に注意を払っていないとして批判しています。パチャウリは2007年にアル・ゴアとともにノーベル平和賞を受賞した気候変動政府間パネル(IPCC)の議長です。「私たちが為してきたのは、過去65万年以上にわたって大気中にたまってきたよりもはるかに大量の温室効果ガスを大気中に放出したことです」とパチャウリは言います。「結果として20世紀中に気温は平均で摂氏で0.74度上昇し、海水面は17センチ上がり、前述のように人間の健康、農業、生態系のすべてにおいて悪影響をもたらしました……IPCCの第4回評価書は、もし私たちが気温上昇を2度程度(摂氏で2~2.4度)に抑えたいと望み、しかもそれを最低限の費用でやりたいと言うのであれば、温室効果ガスは2015年までに排出のピークを迎えていなければならないと明言しています。なのにいま私たちの話していることは2020年のことです。それはつまり世界は排出ガスを減らすためにもっと巨額の費用が必要になるということですし、同時にさらに深刻な気候変動の影響を被ることになるということでもあります」。会議で米国の果たす役割について尋ねられて、パチャウリは次のように答えました。「オバマ大統領にも科学に耳を傾けるようにお願いしたい。彼にはジョン・ホルドレンという卓越した科学顧問がいるのですから。大統領は再選されたらすぐにジョンに科学者会議を主催させたらいいかもしれません。もし再選されたらの話ですが。そして米国の政策を決定するのです。それは取得可能な科学的証拠を基本にした、世界中のすべての国の指針になるような政策であるべきです。でも実際には、ここ(COP17)ではだれも科学なんかに関心を払っていないのが正直なところです」。

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